【張子人形】菊人形

体を菊の花で彩られ、菊の花を浮かべた盃を持った菊人形です。 重陽（菊）の節句に合わせて制作しました。 中国の春秋戦国時代頃（紀元前8世紀〜紀元前3世紀）に発生した思想である、 陰陽五行説を由来とする年間行事「節句」。 日本では平安時代頃から行われ、季節の変わり目や農耕の節目などに、 邪気を払い健康や息災を願うためのものでした。 1年間の節句は人日（1/7：七草）、上巳（3/3：桃）、端午（5/5：菖蒲）、七夕（7/7）、重陽（9/9：菊）の五節句があり、最後の節句が「重陽（菊）の節句」です。 重陽とは、陰陽五行説における縁起の良い数字「奇数=陽数」（縁起の悪い数字は「偶数＝陰数」）の中でも 最も大きい「9」が重なる旧暦の9/9のことです。 現在の日本ではあまり馴染みのない節句ですが、旧暦9/9（現在の10月上旬頃）は、 邪気を払い長寿を願って、菊の花を飾ったり、菊の花びらを浮かべた酒を酌み交わして祝ったりしていました。 また前夜には、菊に綿をおいて、露を染ませ、身体をぬぐうなどの習慣があったそうです。 また現在も菊が見頃を迎える10月には、 日本各地で等身大の人形の体を菊で飾る「菊人形」がつくられる「菊人形展」が催されています。 【サイズ】 幅4.0x高さ8.0x奥行4.0cm 【素材】 和紙、胡粉、アクリルガッシュ 【張子とは】 "だるま"や"赤べこ"に代表される造形技法で、 原型に濡れた和紙を貼り、乾いたら型を抜いて、 胡粉という日本画などで使用される貝殻の粉で、 コーティングをして着彩するハンドメイド品です。 1点1点手作りですので同じ種類のものでも表情など微妙な違いをお楽しみください。 【今日の玩具】 東京・西荻窪で、全国の郷土玩具や伝承をベースにしながら、 現代的にアップデートした張子人形を制作しています。 『今日の玩具』とは郷土玩具を文字ったHARICOGRAPHYのシリーズです。 単に子ども向けの「玩具」ではなく、親や大人や共同体が子どもたちに向けた、 “健康”や“安全”といった「願い」を込めた「玩具（願具）」であることを念頭につくっています。 また大人たちが、自身のかつての子ども時代を振り返るきっかけとなるような、 どこか“懐かしい”風情をお楽しみ下さい。