フィンランドを代表する陶器メーカーARABIA社のコレクターズアイテムです。
本作品デザイナーのライヤ・ウオシッキネンは1947年から1986年までの40年に渡ってARABIA社の専属デザイナーとして勤務し、エミリア(Emilia)やアリ(Ali)、パヤッツォ(Pajazzo)、アーメッド(Ahmed)などの名作を生み出しました。とくにカレワラ(Kalevala)というクリスマスシーズンに毎年製造されるイヤープレートは彼女が考案したもので、現在まで多くのコレクターの間で根強い人気を誇っています。こちらのシニリントゥというカップは、アリやパヤッツォなどと同様に銅版転写という方式でプリントされたものとなります。
銅版転写とはシルクスクリーン印刷の一種で、パターンデザインを施した銅版にコバルトを原料としたインクを乗せ、転写紙を無地の陶器にブラシで刷り付けて定着させ、薄い透明の釉薬を塗り重ねて再焼成する、という工程を重ねるものです。転写の力加減で色の濃淡やムラなどの個体差が生じます。転写の力加減で色の濃淡やムラなどの個体差が生じます。均一でムラのない転写紙の貼り付けに比べると濃淡差に個性や味わいが生まれ、職人の腕前も如実に現れます。
こうした作業は大変手間がかかるためシニリントゥは1970年代中盤の石油危機の際に生産を終了しています。この時期は名作パラティッシの生産も終了するなど、それまでの主要なラインナップが軒並み生産終了に追い込まれる深刻な時期でした。また1980年代になると安価な陶器が台頭するようになり、ARABIA製品もプリメイドの転写紙をそのまま貼り付けたり、シンプルなハンドペイントで装飾を施すなど工程を省略しコスト減を図った器が多く生み出されました。80年代以降の作品はそれまでの黄金期の作品に比較すると装飾が極端にシンプルであり、手間暇にコストを割くことが出来なかった苦しい時代を感じさせます。時代背景を考えるとシニリントゥはARABIA黄金期の非常に手間が込んだ最後の作品の一つとなります。
シニリントゥはフィンランド語で「青い鳥」の意味です。北欧ではメーテルリンクの『幸せの青い鳥』が有名ですが、チルチルとミチルが延々旅を続けても見つけられなかった幸せを運ぶ青い鳥が、あるとき自分の家のキジバトであったことに気づく、という寓話です。幸せは知らなかっただけで実は最初から身近にある、という教訓のような話です。こちらのカップにはその青い鳥が3羽も描かれています。ウオシッキネンもまた、幸せはすぐ身近にある、と言いたかったのかもしれません。
なおこちらの作品はカップのバックスタンプにWärtsilä(ヴァルチラ)という当時ARABIAのスポンサー企業のロゴが打たれています。ヴァルチラは1990年にARABIA株の大半を売却するまでスポンサーを務めた船舶用エンジンを製造するフィンランド企業です。ARABIA製品には一時期ヴァルチラの名前が一緒に刻印されていましたが、1970年頃を境に刻印は見られなくなります。そのためシニリントゥは1975年まで生産されましたが、本品に限っては1966〜1969年頃の初期に生産されたものだと考えられます。
■詳細
メーカー:ARABIA / アラビア
デザイナー:Raija Uosikkinen / ライヤ・ウオシッキネン
生産国:フィンランド
年代:1966〜1975年
コンディション:
ソーサーは光に透かすとカトラリー跡と重ね置きの跡が見られ、縁に焼け跡が一箇所あり、縁の内側にペイント飛びが薄く見られます。カップはほとんどスレもない美品のコンディションです。製品としての完成度も青の色が鮮やかで優れたものとなります。割れや欠けはなくオリジナルのコンディションをとどめた良品です。
フィンランドを代表する陶器メーカーARABIA社のコレクターズアイテムです。
本作品デザイナーのライヤ・ウオシッキネンは1947年から1986年までの40年に渡ってARABIA社の専属デザイナーとして勤務し、エミリア(Emilia)やアリ(Ali)、パヤッツォ(Pajazzo)、アーメッド(Ahmed)などの名作を生み出しました。とくにカレワラ(Kalevala)というクリスマスシーズンに毎年製造されるイヤープレートは彼女が考案したもので、現在まで多くのコレクターの間で根強い人気を誇っています。こちらのシニリントゥというカップは、アリやパヤッツォなどと同様に銅版転写という方式でプリントされたものとなります。
銅版転写とはシルクスクリーン印刷の一種で、パターンデザインを施した銅版にコバルトを原料としたインクを乗せ、転写紙を無地の陶器にブラシで刷り付けて定着させ、薄い透明の釉薬を塗り重ねて再焼成する、という工程を重ねるものです。転写の力加減で色の濃淡やムラなどの個体差が生じます。転写の力加減で色の濃淡やムラなどの個体差が生じます。均一でムラのない転写紙の貼り付けに比べると濃淡差に個性や味わいが生まれ、職人の腕前も如実に現れます。
こうした作業は大変手間がかかるためシニリントゥは1970年代中盤の石油危機の際に生産を終了しています。この時期は名作パラティッシの生産も終了するなど、それまでの主要なラインナップが軒並み生産終了に追い込まれる深刻な時期でした。また1980年代になると安価な陶器が台頭するようになり、ARABIA製品もプリメイドの転写紙をそのまま貼り付けたり、シンプルなハンドペイントで装飾を施すなど工程を省略しコスト減を図った器が多く生み出されました。80年代以降の作品はそれまでの黄金期の作品に比較すると装飾が極端にシンプルであり、手間暇にコストを割くことが出来なかった苦しい時代を感じさせます。時代背景を考えるとシニリントゥはARABIA黄金期の非常に手間が込んだ最後の作品の一つとなります。
シニリントゥはフィンランド語で「青い鳥」の意味です。北欧ではメーテルリンクの『幸せの青い鳥』が有名ですが、チルチルとミチルが延々旅を続けても見つけられなかった幸せを運ぶ青い鳥が、あるとき自分の家のキジバトであったことに気づく、という寓話です。幸せは知らなかっただけで実は最初から身近にある、という教訓のような話です。こちらのカップにはその青い鳥が3羽も描かれています。ウオシッキネンもまた、幸せはすぐ身近にある、と言いたかったのかもしれません。
なおこちらの作品はカップのバックスタンプにWärtsilä(ヴァルチラ)という当時ARABIAのスポンサー企業のロゴが打たれています。ヴァルチラは1990年にARABIA株の大半を売却するまでスポンサーを務めた船舶用エンジンを製造するフィンランド企業です。ARABIA製品には一時期ヴァルチラの名前が一緒に刻印されていましたが、1970年頃を境に刻印は見られなくなります。そのためシニリントゥは1975年まで生産されましたが、本品に限っては1966〜1969年頃の初期に生産されたものだと考えられます。
■詳細
メーカー:ARABIA / アラビア
デザイナー:Raija Uosikkinen / ライヤ・ウオシッキネン
生産国:フィンランド
年代:1966〜1975年
コンディション:
ソーサーは光に透かすとカトラリー跡と重ね置きの跡が見られ、縁に焼け跡が一箇所あり、縁の内側にペイント飛びが薄く見られます。カップはほとんどスレもない美品のコンディションです。製品としての完成度も青の色が鮮やかで優れたものとなります。割れや欠けはなくオリジナルのコンディションをとどめた良品です。
サイズ
直径10cm 横幅13cm(取っ手含む)高さ9cm ソーサー直径15.3cm
発送までの目安
3日
配送方法・送料
宅配便
0円(追加送料:0円)
全国一律
全国一律
購入の際の注意点
■商品のサイズ感について
商品写真はコンディションがよく分かるように接写しています。そのため実際の商品は小さく感じられる場合があります。木のスプーンは商品の付属物ではなくサイズ比較用です。長さは13cmとなります。
■返品について
配送後の商品は、以下の場合に限り、返品・交換をお受けいたします。
▷配送途中の事故等による破損、またはご注文の商品と違うものが届いた場合
▷商品ページの説明にない瑕疵が確認された場合
※ただし、ヴィンテージ食器特有の支柱跡(目跡)・貫入、釉薬の下にある(釉薬がかぶった)凹みや傷は製造時に生じたものであり使用上の瑕疵ではありません。支柱跡についてはほぼすべての取扱商品に見られるため、説明を割愛する場合がございます。
▷返品に際しては大変お手数ですが、到着後一週間以内に返品・交換希望のご連絡をお願いいたします。