2020年、感謝の気持ちとご挨拶

 2020年も残りわずかとなりました。今年は世界中でコロナウイルスが蔓延し、日本でも異例の非常事態宣言。各々が色々な面で“耐える”ことを余儀なくされた今年は、私にとっても忘れられない一年となりました。  昨年の10月から、繰り返し多発していた背中の肉離れ。針仕事のしすぎが原因と思い、制作ペースを落としたり度々販売をおやすみさせていただいてたのですが、首から腕にかけての神経が更に痛むようになり、とうとう針が持てなくなりました。整骨院に通っていてもなかなかよくならず、次第に呼吸が苦しく、体中が激痛で歩行も困難になり、今年の4月に大きな病院で検査が行われました。  そして、体がステージ4の肺癌に侵されていることを知りました。すでに癌は多臓器転移、骨転移し肺に水がたまった状態で、手術や放射線治療は不可。もう長く生きられないという現実。 まさか自分がこんなに早く癌になるなんて思ってもみなかった、、。その時病院の桜は満開で、空は青く晴々とし、あぁ、なんて綺麗なんだろう。この美しい世界から、自分はもうすぐ消えてしまうのか、この可愛い猫たちをおいて。ちょっとでも気を抜いたら、絶望という闇にのまれそうになる、そんな感覚でした。  その後リンパ節から細胞を採取し分析を行ったところ、治療に最適な新薬を使った投薬治療が行われることになりました。投薬治療の効果はすぐに出て見る見るうちに胸水はなくなり、呼吸が楽になっていきました。また、分子標的薬であるその新薬は5年程前に開発されたばかりの薬で、悪い遺伝子だけに作用するので、副作用もほとんどありませんでした。体の痛みには医療麻薬が処方され、激痛だった日々とさよならし、すべての希望をこの投薬治療にかけ入院中は絶対安静、移動は車いすで徹底されました。とても親切な看護師さん婦長さん、検査も怖くないよう楽しくしてくれた検査技師さん、恐怖をやわらげてくれたお医者様がたに支えられ、入院生活を快適に終えることができました。骨はまだまだもろいので注意が必要ですが、現在も腫瘍は小さくなり続けています。      昨年保護する予定だった庭先の猫も、一年越しに我が家に迎えることができ、どちらが長生きできるか競争だねと意気込んでいます。か細くても、長く、ゆっくり、濃く歩んでいきたいと思います。   この奇跡ともいえる出来事は、私の生きる上での価値観を大きく変えてくれました。 今こうして再び針を手に、作品づくりを再開できたこと。そして1年間もの間販売を休止していたにもかかわらず、変わらず待っていてくださったフォロワーの皆様。 日頃から可愛いお写真と共に、あたたかいレビューやメッセージをいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。すべて楽しく拝読させていただいております。  これまでご愛顧いただいた皆様に、感謝の気持ちを込めて、終わりの言葉とさせていただきます。  今年も本当にありがとうございました。また来年も皆様を笑顔にできるような作品をつくっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。                                     2020.12.24                                  夢の森工房 dante dante    

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