はじまりの足音と、旅のしたく

はじまりの足音と、旅のしたく

公開
ある日の午後、
星空のくまさんのもとに、一通の手紙が届きました。 そっと封をひらくと、
そこには「Plymouth(プリマス)で会おう!」のことば。 ふわりと心が躍って、
くまさんはすぐに、森の仲間たちに知らせに行きました。 風のにおいが、いつもと少しちがって感じられて
どこか遠くから、 はじまりの足音が聞こえてくるようでした。 こうして、ちいさな物語が、そっと動きはじめたのです。 * くまさんたちは、ちいさな旅のしたくをはじめました。
 こんぺいとうの森であつめた、 星のかけらから生まれた色たちを
 そっとトランクに詰めこみながら。 「また、あのひとの笑顔に出会えますように」
 そんな願いをひとつひとつに込めて—— どんな出会いが待っているのでしょう。 
胸の奥で、ちいさなわくわくがふくらみます。 それはまるで、森の中に芽吹いた
あたらしい物語の つぼみのようでした。 * 朝露の残る小道を、くまさんたちは静かに歩きはじめます。 
足もとには、小さな花が咲いていて、
 そのひとつひとつに、 まるでことばのような色が宿っているみたい。 森の奥にある ひみつの場所では、
 今日も色とりどりのビーズやリボンたちが、 
物語の続きをそっと待っています。 誰かの心に、ふっと灯るようなやさしい魔法。 
その小さな種は、きらりと光る希望のかけらとなって
 くまさんたちの手の中で、大切にあたためられてゆきます。 * ちいさなトランクには、 いつもの宝物と
あたらしい夢を、ひとつだけ。 森で見つけた星のかけらから生まれた、
 とっておきの飾りを添えたバッグチャームも、 そっとしのばせて。 それは、まだだれのものでもない、たったひとつの輝き。 
そのぬくもりを連れて、 くまさんたちはまた一歩、旅をすすめます。 —— やさしい光が、ふっと誰かの心にふれますように。 * そしてもうすぐ、くまさんたちは小さな旅に出かけます。 日本にいるあなたにもぬくもりを届けられるよう、 こんぺいとうの森のひみつのアトリエでは、 とっておきの企画をこっそり準備中です。 —— 離れていても、やさしい光をそっと届けられますように。
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くまさんの相棒ʕ•ᴥ•ʔ

クマモリ
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