レター

作品が仕上がったときは いつも特別な感情にとらわれる それはわたしだけの喜び それは仕事を完成した喜び それは丹念に仕上げた誇らしさ 毎回描いた絵をまえにした 無邪気な子供のように心が微笑む ここに着くまでにたどった道を これからたどる道をおもう 道が長いのは知っている つくったものはきっと 多くの人に出会うだろう それぞれがほんの少しわたしの分身 涙と喜びを分かちあい つなぎあう ささやかな架け橋になってくれるはず それは世界からも人の目にも見えない 蜘蛛の糸のように細い糸だけどそっと 誰かと誰かを結びつけたりもするだろう これはわたしの物語 だけど わたしのものではない 読んでくれた人に手渡す 心をこめた小さな贈りもの

レターの感想をリアクションで伝えよう!

布・木・コルク

mi-sun
作品を見る