「日々の小窓」という作品は、愛おしい日常がテーマになっています。
素材は、木粉粘土だったりイラストだったり板ガラスだったり…その時々で変わるのですが、モチーフとして出てくるのは「うつわ」と花のシルエット。
わたしの中で「うつわ」は、食事をする用途の道具というよりかは、形としてのデザインに魅力を感じたり、人の気配が感じられ、生活が垣間見えるモチーフとして惹かれるものでした。
気に入って使っていたものだったり、思い出があって大切にしていたのに、欠けたりヒビが入ってしまったりした時…
どうしても手放せなくて、接着剤で直したまま棚の奥に大切にしまい込んであったりします。
もう食事には使えないけれど、せめて好きな花を生けたり、生活の一部として飾ったりして愛おしむ気持ちから作品のテーマにするようになりました。
そして、愛おしい日常がつまった一場面にふっと登場するのは小さな蝶。
思い出の中でまた会いたい人や、もう会えないけど大切な人と重ねてデザインの一部になっています。
小さいピースに込められたそんな情景を感じていただけたら嬉しいです。