こんにちは。
アートデコムスピペ星野です(^-^)
群馬県にある工房で夫婦二人で洋服の製作をしています。毎日、三台のミシンを使って、一つ一つ丁寧に洋服を制作しています。
うちの洋服は、『もったいない』から始まったブランドです。
ある日、縫製業をしていたご老人の工房に知り合いを通じて行く事があり、真っ暗な工房の中で、大量の布が山積みになった中、一人で黙々と80歳を過ぎたご老人が洋服を縫っている姿を見て衝撃が走りました。大量生産、大量消費の中、低賃金で縫製業は海外生産にシフトし日本の縫子さんは壊滅的に廃業しました。その中で、60〜70年もここでずっと縫っていたんだと思ったら、悲しさの中にも、熱いものが込み上げてきました。生活するには厳しい縫製業、若い人は食べていけないのでどんどん縫う人がいなくなってしまいました。私は昔から洋服を作りたいと思っていましたが、難しいと思い若い頃に諦めました。でも、このままでは、縫製業も無くなってしまうし、今まで培われた技術も失ってしまうと思ったら、なんてもったいないんだと思ってしまいました。そしてまた、この大量に溢れ返る生地の山、アパレルで残ってしまった残反はすごくいい生地なのに破棄されてしまうなんてもったいなさすぎる!と思い、これを何とかまた何とか新しく洋服として作って世に出せないか…それが、洋服を作る大きなきっかけになりました。
それから、縫製業者から余った残反を仕入れて洋服を制作する様になりました。日本のアパレルブランドで扱う布なので品質もよく、縫製業者も布の残反に困っている所も多く、生地を販売してくれる所も見つかり、今うちのお店の洋服の8割方は新品リサイクルの布で制作しています。
なので、うちの製品は一点ものの布が多く、ほとんどの品が一個しか作れないので、サイズ違い、色違い、追加販売などはあまりしませんが、その時にしかない布との出会いで作る洋服を楽しんで見て欲しいなと思います。
そして、縫製業は本当に続けていくには大変ですがとても楽しいですしやりがいがあります。購入して頂いたお客様からの嬉しい言葉が頂けて本当に幸せです。これからも、地道ではありますが末永く洋服を作って行きたいと思っていますので、アートデコムスピペの洋服達を今後とも宜しくお願い致します。
アートデコムスピペ 星野貴子