呼び継ぎ唐津小皿に秋をのせて

呼び継ぎ唐津小皿に秋をのせて

公開
磁器が日本で誕生した江戸初期前後頃に作られた唐津焼の小皿。 それまで日本国内で主流だった陶器の欠片を合わせた「呼び継ぎ」技法により小皿として蘇った小皿とご案内するほうが自然かもしれません。 新しい物好きの島国、日本人らしい時代の流れの中で新たに見直されて味わい深く修理された器です。 敢えて金でコーティングせずに風合いを感じられる仕上がりになっております。 当事務所で修理した部分と、かつての修復師が修理した箇所とが折り合うかたちで現存しております。 本日は秋の果実・柿をのせてみました。 日本古来より秋に実る果実との相性が良いと感じるのは不思議なものです。 こちらの小皿にマカロンや洋菓子を添えると、何やらそわそわと落ち着かないのも不思議です。 日本の風合い、美の感覚、色の感覚が視覚からインプットされているのでしょうか? 使い込まれた痕跡や、釉の揺らぎが、時間の経過と手の温もりを感じさせてくれます。 柿の鮮やかな橙色が、土の風合いと調和し、シンプルながらも豊かな秋の景色を作り出します。 一枚の小皿が、季節の移ろいをそっと伝えてくれる――そんな瞬間をお楽しみいただける小さな骨董品です。 https://minne.com/items/39110910 https://minne.com/items/39110831 https://minne.com/items/39366550 https://minne.com/items/39455288 お求めやすい上記4枚を本日はご案内いたします。 それぞれの窯の歴史を調べていただけると愛着が湧きます。 時代を経て、ようやく生み出される落ち着いた肌艶は、光を跳ね返すような照りもなく、しっとりと明かりを受け止めて静寂に佇む奥ゆかしさも見どころです。 本来はバラバラだった小皿と小皿が組み合わさった形状は、無骨ながら手に取ると「土」の感覚が伝わります。 最近、土に触れていない方が増えた時代です。 ガラス張りのオフィスやシンプルに整えられた空間で愛でてみてください。 手のひらサイズの大自然をご堪能いただけます。 都心部のご飲食店で、ご覧の唐津焼きでもてなされた場合、その粋な計らいに心弾むかと思います。 繊細な九谷焼や鮮やかな伊万里などで客人をもてなした最後に、そっと季節のカットフルーツを添えてお出しください。 飾り気のない、素材そのものの味覚を存分に見栄え良くしてくれる、数百年前の日本の土を1枚。 所有されていると心強いです。 器は使ってこそ、その時代で輝きます。 お手元に届きましたら、今も昔も変わらない「果物」「野菜」を、そのまま添えて味わってみてください。 きっと、生涯、お手元に置いておきたくなる小皿です。

レターの感想をリアクションで伝えよう!

Antique Art Dealer 古美術商

Antique Art Nozomi 古美術 希 のぞみ
作品を見る