14.みちのくの《百人一首シリーズ》ネックレス

みちのくのしのぶもぢずりたれゆゑにみだれそめにしわれならなくに （陸奥で染められたしのぶもじずりの摺り衣ののように、乱れはじめたこの心は、私ではなく、あなたのために乱れているのです） 百人一首の河原左大臣の和歌をモチーフにネックレスを作りました。 たいせつな「あなた」のために乱れるこころを衣の模様に例えて、内なるこころと身にまとう衣、内も外も乱れてしまっているという和歌です。 「あなた」はよほど大切で素敵な人だったんでしょうね。 しのぶもじずりの不思議で複雑な模様は、ゆびぬきでは再現しにくいものでしたが、さまざまな色の絡み合う網代模様で表現してみました。 矢鱈縞のように好きなタイミングで色を変えて縞を作っていく模様と、網代模様を足したようなこの模様を、わたしは矢鱈網代と呼んでいます。 横にしても縦にしてもかわいい模様のこのゆびぬき、とても迷ったのですが、縦型のネックレスと横型のネックレスに加工しました。 鎖は少し長めで、全長約50センチ、ゆびぬき部分が胸もとに来るぐらいの長さです。鎖が長いので、ハイネックの服にも合わせられます。 鎖の色は写真ではわかりにくいですがライトゴールドです。 付け外ししやすいマグネットクラスプを使っていますが、カニカン+アジャスターに無料で変更できます。 ゆびぬき部分のサイズは約10ミリ×40ミリです。 +++++++++++++++++++ るまんとは、ハンドメイド以外に、歌人としても活動しています。 およそ31音にこころや風景、あらゆるものを表現する短歌というものに魅せられてもう20年以上続けています。 ゆびぬきも、短歌・和歌も現代人にとってそれほど身近とは言えないものです。でも、もっと身近に感じてほしい、気軽に身に着けて、口遊んでほしい、そんな気持ちで、百人一首の歌をモチーフにしたゆびぬきアクセサリーを作る《百人一首シリーズ》を始めました。 るまんとの作品がゆびぬきや和歌・短歌に触れるきっかけになれれば、とてもうれしいです。 +++++++++++++++++++ 加賀の工芸品、加賀ゆびぬきをアレンジしたものです。 加賀ゆびぬきはその名の通りお裁縫に使うゆびぬきとして作られてきたものです。 なので、普通は指輪くらいのサイズなのですが、るまんとではそれをアレンジゆびぬきとして大きくつくってアクセサリーに加工しています。 表面は布を貼ったように見えますが、ひと針ひと針、絹の手縫い糸でかがって模様を作ってる、刺繍の一種です。 模様面は絹糸のすべすべつやつやとした質感です。 絹なので高級感がありますが、ぜひ日常のカジュアルな場面に取り入れてください。おしゃれ度をワンランクアップさせてくれます。 模様面は絹糸でできているため、濡れ・汚れに弱くなっています。 濡れた時はこすらず水分を拭きとって乾かしてください。