86.なげけとて《百人一首シリーズ》ブローチ

なげけとてつきやはものをおもはするかこちがほなるわがなみだかな (月がわたしに嘆けと、物思いをさせているのでしょうか。いや、そうではないでしょう。それなのに、月の光にかこつけたように流れるわたしの涙です) 西行法師の和歌をモチーフにを作りました。 月の光を黄色、夜空を紺色、濃紺、そして流れる涙をとても淡い青で表現しました。 月を見て物悲しい気持ちになるのは、月の形の移ろいが無常を感じさせるからでしょうか。わたしは、きれいな月を見ると嬉しくなります。人生経験が足りないのでしょうね(笑)。 とてもきれいな和歌なので、きれいできりっとしたみつあみ模様にしました。 着用例画像(５枚目の写真)では、ポーチに「はるすぎて《百人一首シリーズ》ブローチ」（https://minne.com/items/23465434）と重ね付けしてみました。 同じみつあみ模様ですが、色合わせでずいぶん雰囲気が違うのが分かると思います。 「はるすぎて」は初夏の昼のさわやかさ、「なげけとて」は秋の月夜の静寂さ、ブローチは気分によって選べるのも楽しいですよね。 +++++++++++++++++++ るまんとは、ハンドメイド以外に、歌人としても活動しています。 およそ31音にこころや風景、あらゆるものを表現する短歌というものに魅せられてもう20年以上続けています。 ゆびぬきも、短歌・和歌も現代人にとってそれほど身近とは言えないものです。でも、もっと身近に感じてほしい、気軽に身に着けて、口遊んでほしい、そんな気持ちで、百人一首の歌をモチーフにしたゆびぬきアクセサリーを作る《百人一首シリーズ》を始めました。 るまんとの作品がゆびぬきや和歌・短歌に触れるきっかけになれれば、とてもうれしいです。 +++++++++++++++++++ 加賀の工芸品、加賀ゆびぬきをアレンジしたものです。 加賀ゆびぬきはその名の通りお裁縫に使うゆびぬきとして作られてきたものです。 なので、普通は指輪くらいのサイズなのですが、るまんとではそれをアレンジゆびぬきとして大きくつくってアクセサリーに加工しています。 表面は布を貼ったように見えますが、ひと針ひと針、絹の手縫い糸でかがって模様を作ってる、刺繍の一種です。 模様面は絹糸のすべすべつやつやとした質感です。 絹なので高級感がありますが、ぜひ日常のカジュアルな場面に取り入れてください。おしゃれ度をワンランクアップさせてくれます。 模様面は絹糸でできているため、濡れ・汚れに弱くなっています。 濡れた時はこすらず水分を拭きとって乾かしてください。