今に残る百人一首【50】

きみがため をしからざりし いのちさへ ながくもがなと おもひけるかな あなたに一目お会いしたならば いつ死んでも構わないと思っていたけれど 逢瀬を遂げ想いがかなった今となっては いつまでも長く共にありたいと思ってしまいます これは藤原義孝が愛する女性と結ばれた 翌朝に詠んだ歌とされており、 義孝はわずか21歳で病にふし死去 薄命の我が身を予見していたかのような一句です "大好き"を伝える少し変わったラブレター 大切な方へのプレゼントにもおすすめの一品 さて、この和歌が詠まれた背景として疫病の大流行や 戦乱、天災が相次ぎ、人々は恐れながらただ祈り 御仏にすがるほか術なしといった時代でした 和歌の才に優れ、人柄も良く美貌を持ち合わせた 無二の人物であったと伝えられていますが、 彼もまた流行り病の天然痘にて夭折 愛を通じ生きることのよろこびを知った そんな大きな心境の変化にはきっと日記が相応しい 大切な1ページ目を飾り、生涯忘れえぬように そして周囲を彩るのは2つのお花 藤の花言葉は"あなたに夢中、至福の時" ライラックの花言葉は"初恋の思い出" この和歌に込められた義孝の想いを &A風に表現したタペストリーが本作品です 厚みのある生成り生地に布用顔料を何度も重ね 熱を加えて色味を定着させており モノトーンなのでどんなシーンにも溶けこみます また、壁の傷隠しや生活臭のでてしまう コンセント周り、コード隠しなどにも便利 (作品写真参考) …実は義孝、後に三蹟の一人とされる 子 行成をもうけるのですが、彼もまた和歌の才があり 清少納言とも親交が深かったことで知られています 機知に富んだ愉快なやり取りが有名ですがそれはまた