落穂食い、夏

刈り入れが終わった後の畑で、なにやら三匹のキリンが広い食いをしている。それは、落ち穂なのか、はたまた大好きな若芽なのか。 若芽を食ったら地主に怒られるよ？ かの有名な「偶蹄記」に定められたところにより、落ち穂は「おなかが減った者は拾って食べてよい」と認められている。 この三匹は朝早くから労働し、やっと一息入れながら朝食にありついているところなのかもしれない。が、別に何の労働もしていないのかもしれない。 でも、おなかが減った者は食べてよいのだ。 キリンは敵に見つかってもすぐに逃げられるよう、地上に落ちたものは脚をぐぐっと開いて頭を垂れて食す。座り込んで食べていようものなら目ざとい肉食獣にあっという間に襲われてしまう。 落ち穂を変な格好で食らうキリンにも、それなりの理由があるのだ。 羊毛をシートフェルトに刺しつけて作製しました。 見た人が「ねぇねぇこれ見てよ！」と誰かに言いたくなるような、 会話のきっかけになったらいいなと思い、みんなが知っている名画を題材とした作品です。