83.よのなかよ《百人一首シリーズ》ヘアコーム

よのなかよみちこそなけれおもひいるやまのおくにもしかぞなくなる （世の中の辛いことです。そこから逃れる道はないのですね。辛さから逃れようと山の奥へと来ましたが、そこでも鹿が悲しそうに鳴いているのです） 皇太后宮大夫俊成の和歌をモチーフに加賀ゆびぬきのヘアコームを作りました。 表面の模様は絹糸を土台にかがって作っています。 百人一首シリーズは順番を特に決めずに作ってきましたが、この作品で百首目となりました。 百人一首の選者である藤原定家の父親、藤原俊成の和歌です。出家を考えていたけれど、やはり歌の道を、と決意したときに詠んだのだそうです。 鹿が出てくる和歌なので、鹿の子模様を選びました。色は、俊成と関わりの深い源氏物語の紫のゆかりを意識して紫にしました。 使った色は3色とシンプルですが、鹿の子模様は印象的で人気があります。 +++++++++++++++++++ るまんとは、ハンドメイド以外に、歌人としても活動しています。 およそ31音にこころや風景、あらゆるものを表現する短歌というものに魅せられてもう20年以上続けています。 ゆびぬきも、短歌・和歌も現代人にとってそれほど身近とは言えないものです。でも、もっと身近に感じてほしい、気軽に身に着けて、口遊んでほしい、そんな気持ちで、百人一首の歌をモチーフにしたゆびぬきアクセサリーを作る《百人一首シリーズ》を始めました。 るまんとの作品がゆびぬきや和歌・短歌に触れるきっかけになれれば、とてもうれしいです。 +++++++++++++++++++ 加賀の工芸品、加賀ゆびぬきをアレンジしたものです。 加賀ゆびぬきはその名の通りお裁縫に使うゆびぬきとして作られてきたものです。 なので、普通は指輪くらいのサイズなのですが、るまんとではそれをアレンジゆびぬきとして大きくつくってアクセサリーに加工しています。 表面は布を貼ったように見えますが、ひと針ひと針、絹の手縫い糸でかがって模様を作ってる、刺繍の一種です。 模様面は絹糸のすべすべつやつやとした質感です。 絹なので高級感がありますが、ぜひ日常のカジュアルな場面に取り入れてください。おしゃれ度をワンランクアップさせてくれます。 模様面は絹糸でできているため、濡れ・汚れに弱くなっています。 濡れた時はこすらず水分を拭きとって乾かしてください。