ほとけ

メゾチント（銅版画）　全33枚　　ハーネミューレ、雁皮刷り モデルはありますが、出来上がってみると全く違うお顔になってました。 自分は版画の前は木で仏像を20年近く指導者について彫ってました。仏像彫ってるからといって何かご利益があるわけではないのね～と仲間同士で話していましたが、立体の仏像を彫るには物凄く神経と精神の安定が必要です。彫りすぎてしまうともうどうしようもないのです。仏像を彫り続けていられた時間、その穏やかな気持ちが何よりのご利益なのだと思います。今でも仏像は好きですから、仏も版画にしたいのですがこれがなかなか難しい。顔というものが難しいだけでなく仏の慈愛がにじみ出せるかどうも構えてしまって挑戦できませんでした。 しかしこのお方に出会ったとき、惚れ惚れしてしまい版画にしてみたいと素直に思えました。 でお顔が違うとはどういうことなんだ、ですけど、たぶん今の私の気持ちのお顔なんだと思いますので是非皆様ご覧になってくださいませ。 ほんとに美しく慈愛に満ちていると自画自賛してしまっています。 仏像というと宗教的に構えてしまってご遠慮という方もいらっしゃると思いますが、私は宗派も全く知らず、ただただ祈りの具象化として考えています。 私は常時持ち歩いているほど気に入っています。 見ていると幸せで穏やかな気持ちになれるんですよ。