桜《源氏物語の草花》ハットピン

源氏物語の草花の中から、桜をモチーフにした加賀ゆびぬきのハットピンを作りました。 源氏物語では、紫上の喩えに多く使われる桜。華やかで鮮やかな、それでいてどこか儚げなイメージです。 現代、桜といえばソメイヨシノですが、ソメイヨシノが作られたのは江戸時代だそうです。では、平安時代の桜はどのようなものだったのか、といいますと、清少納言の『枕草子』の「木の花は」という段に さくらは、はなびらおほきに、はのいろこきが、えだほそくてさきたる とあります。ソメイヨシノの葉は花が終わるころに姿を見せますが、平安時代の桜は花と葉が一緒に見られていたようです。 ですので、この作品も淡い白緑の背景に花びらをイメージした桜色、葉の濃い緑、細い枝の茶色を配しました。 緑を配したことで全体が引き締まって甘すぎない作品になりました。 +++++++++++++++++++ 《源氏物語シリーズ》として、登場人物を中心に作品を作ってきました。 主要人物を、全員ではありませんが作ることができたので、次に作るものを考えながら、朝日新聞出版『平安大事典〜図解でわかる「源氏物語」の世界』(倉田実編)を読みまして、源氏物語に描かれた草花に心惹かれました。 源氏物語には110種を超える植物名が登場するそうなのですが、その中で主なものをこの大事典を参考に作っていこうと思います。シリーズ名は《源氏物語の草花》です。 +++++++++++++++++++ 加賀の工芸品、加賀ゆびぬきをアレンジしたものです。 加賀ゆびぬきはその名の通りお裁縫に使うゆびぬきとして作られてきたものです。 なので、普通は指輪くらいのサイズなのですが、るまんとではそれをアレンジゆびぬきとして大きくつくってアクセサリーに加工しています。 表面は布を貼ったように見えますが、ひと針ひと針、絹の手縫い糸でかがって模様を作ってる、刺繍の一種です。 模様面は絹糸のすべすべつやつやとした質感です。 絹なので高級感がありますが、ぜひ日常のカジュアルな場面に取り入れてください。おしゃれ度をワンランクアップさせてくれます。 模様面は絹糸でできているため、濡れ・汚れに弱くなっています。 濡れた時はこすらず水分を拭きとって乾かしてください。