コイトネコの作品ページにはこんな注意書きがあります。
「猫のいるアトリエで制作しています。」
アトリエなんて言うと聞こえはいいですが、ミシン3台(業務用刺繍ミシン、家庭用ミシン、ロックミシン)と作業用机のあるささやかなスペースです。
刺繍ミシンの横には刺繍糸を入れる棚があり、その上に置かれた猫ベッドではわが家の黒猫シジミちゃんが丸くなっています。
業務用の刺繍ミシンは深夜に動かすと近所迷惑になるんじゃないかとビクビクするくらいの音と振動が出るのですが、猫は全く気にせず熟睡しています。
今でこそ作業部屋で自由にくつろぐシジミちゃんですが、最初はこのスペースに猫が入るのを禁止していました。
届くまで品物の状態が分からないネット販売。
ペットがいると、においなど気になったりする方もいると思います。
そしていつの間にか付いている猫の毛…
minneでの販売を始めた頃は、作業部屋には猫を入れないようにしていました。
部屋にこもっていると、ドアの前でニャーニャー鳴くシジミちゃん。
─ごめんね、ここは開けられないんだ。しばらくすれば諦めるかな?ちょっと我慢してね。
しかし、どれだけたっても諦める気配は無く、私がドアを開けるのをずっと待っています。あまりに寂しそうな声で鳴くので、耐えられずに部屋から出て少し遊んでからまた作業再開。
でも部屋に入りたい猫はそんなことでは満足せず、またずっと鳴きながら待っています。
『そこにいるのに、どうして開けてくれないの?』と言っているよう。
そんなことが何ヶ月か続き、私も猫ももう限界。
ある時、注文があった猫グッズを作りながら思いました。
一番身近にいる猫にこんな寂しい思いをさせて、何が猫作家だ?
私も猫も、ちっとも幸せじゃない。
人の勝手な都合で猫に我慢させて。私がお客さんなら、そんなふうに作った作品を買いたいか?
そして、作業部屋のドアを開放しました。
それ以来、シジミちゃんは私と一緒に作業部屋に入り、ミシンの横で丸くなります。
夢中になって夜中まで作業していると、『もう寝ようよ』と催促してきます。
最近は早朝に作業していますが、朝早く私を起こして『さあ、今日も行くよ』と先導してくれます。
だから。
コイトネコの猫グッズは、猫のいるアトリエで制作しています。
猫好きのお客様におかれましては、ご理解頂けますと幸いです。