道具に込める想い

道具に込める想い

制作をするたびに手に取る道具たち。 毎日、その道具たちに感謝の気持ちを忘れず、大切に使っています。そんな話をしてみます。 日々の制作には、質の高い道具が欠かせません。なぜなら、同じ道具はいつでも手に入るわけではなく、道具を変えてしまうことで手に馴染む感覚が変わったり、微妙に違う仕上がりになったりと、作品の品質にムラが生まれることもあるからです。また、質の高い道具は見た目も洗練されていて、美しい。その美しさを見て自然と「丁寧に、心を込めて作ろう」という想いを湧き上がらせてくれるのだろう思います。 普段、身の回りのものを見渡しても、私は長く使える質の高いデザインのものを好んで選んでいることに気づきます。洋服やアクセサリー、靴、財布、キーケースなど、長く使うほど味わいが増すものを大切にしています。何年経っても飽きることがなく、むしろ時が経つにつれて愛着が湧いてくるのが好きで堪らなくて。この昔からの感覚が私の作品作りにも反映されているのだと思います。 この考えの原点には、学生時代の弓道部での経験が関係しているように感じます。弓道では、道具を「大切なパートナー」として扱うことが求められ、日々のメンテナンスを徹底するよう教わりました。弓や矢、弽(ゆがけ)や弦といった道具に敬意を払う大切さを教えられました。 弓具のケアをおろそかにすることが些細なミスやエラーに繋がる可能性があり、その積み重なることで、28メートル先の的に向かう弓矢の軌道に影響が出てしまう。日頃から道具を丁寧に扱い、信頼関係を築くことの大切さを学びました。 また、弓道の精神として「道具への感謝」も深く根付いています。道具は私たちが自分の力だけでは成し得ないことを支えてくれる存在であり、その原材料は動物や植物からの恵みです。当時の指導者から「道具に感謝し、敬意を持って扱いなさい」と教わり、それが私にとってものづくりの基盤となっているような気がします。 そんな経験もあってか、道具は私にとって単なる「道具」ではなく、信頼のおけるパートナーです。 そして、私の作品が誰かにとっての大切な道具として長く使ってもらえたら嬉しいなと。 今日もまた、道具への感謝を忘れずに制作に取り組みます。この道具たちと共に歩むものづくりの道の先に、どんな作品が生まれるのか楽しみにしていてくださいね!
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