コットンハウス梢物語 (店を始めたいきさつ)

コットンハウス梢物語 (店を始めたいきさつ)

私の祖母と母は、縫い物や編み物をする人で、幼いころからその姿を見て育ち、少しは手伝うこともありました。小学校のクラブで手芸クラブに入って、縫い物や手芸に興味がありました。 その後、中学1年の家庭科で、スモックを製作しました。そのスモック作りの裁断で失敗したことで、三角巾を裁つ布が足りなくなってしまったのです。 日曜日に残ったハギレからなんとか三角巾を作ろうとして、小振りの四角や三角の布を裁断しました。パッチワーク風の三角巾を作り始めたわけですが、これがうまくいきません。 一カ所縫って布を広げてみると、予想していた形と違うのです。縫い目をほどき、よく考えて四角と三角の布をもう一度縫ってみました。今度はいいみたい。失敗したり、ほどいて縫い直したり…… 1日かかって、ようやくパッチワーク風の三角巾ができ上がったときは、うれしくてたまりませんでしたね。 この三角巾で本格的に縫い物に興味を持ちました。 中学生の時に、家にあるハギレから小さな巾着袋を手作りしたのです。でも、中学生の巾着袋はとても下手で、自分が作ったとは言いたくない代物でした。だから、高校1年で初めて巾着袋を手作りしたことにしています(笑) 小さな巾着袋を手作りしたことがきっかけで、お弁当袋を作ったり、キルティングで手提げバッグを作ったりしました。 その後は、家政学科の短大に進んで、中学校の家庭科の先生になる勉強をしました。 教育実習まで行ったけれど、その実習で、先生には向いていないことがわかりました。私は自分が縫い物をしたいのだということがわかりました。教えていたら自分ではなかなか縫い物ができませんからね。 30代後半にフリーマーケットから、手作り品の販売を始めました。私の手作りの原点である小さな巾着袋やポケットティッシュカバー、女の子のヘアゴムを手作りして販売したのです。 「いっ、いらっしゃいませ、手作りの巾着袋やポケットティッシュカバー、ヘアゴムはいかがですか」 おそるおそるお客様に声をかけると、 「じゃあ、巾着袋を1ケください」 「はい、ありがとうございます」 初めて巾着袋が売れると、飛び上がるくらいうれしくなりました。 巾着袋は100円、ポケットティッシュカバーは50円、ヘアゴムは100円。今考えると、とても安く値段を設定してしまいました。でも持っていたハギレから作ったので、安くても売れたこと自体がうれしかったですね。 その後、チャレンジショップに申し込んで、手作りショップを始めることになりました。 7年、店を続けた後、体調を崩したことから、現在は通信販売のみで販売しています。

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