デジタルを越えた先にあるアナログな世界観

デジタルを越えた先にあるアナログな世界観

デジタルと聞くと何を思い浮かべるだろう。 映像ならテレビやYouTube、ゲームアプリ、将棋アプリ、写真なら画像データ、書籍なら電子書籍…。 アナログと聞くと何を思い浮かべるだろう。 映像なら映画館や劇場、野球盤ゲーム、人生ゲーム、将棋盤、碁盤、写真ならプリントアウト、書籍なら本や雑誌といった印刷物…。 アナログという世界観に何の意味があるのだろう。 社会がデジタル化される以前は当然ながらアナログ社会であった。 アナログ社会では、人との関わり無しでは成り立たない社会だった。対戦相手がいないと将棋すら出来ない。作品なら当然作り終えるまで、人の関わりが付きまとうので時間がかかり、出来上がりにムラもあった。ムラの始末までが仕上がりの結果であった。 デジタル社会では、効率良く仕上がり結果を安定させることから、人の介在は極力省かれ、均整化されて行く。 デジタル化されることにより、たくさんの恩恵を受けることになるのであるが、人の介在が著しく省かれるので、作り終えた仕上がりは極めて標準化されて行く。 デジタル化された社会で淘汰されて行くアナログな社会。 それは自分は無いと思う。なぜ人はテレビよりも映画館や劇場を選ぶのか。なぜ人は電子書籍で読める本や雑誌をわざわざ買いに行くのか。なぜスマートフォンやパソコンで見れる絵や写真を我が家や職場に飾るのか。 デジタル化された社会であっても、それを越えた先には、きっと人の介在するアナログな世界観があるからだと思うのである。 テレビで見る映像より映画館で見る映像。役者を間近で感じることのできる劇場。手垢だらけの本や参考書、家族といった団欒の場に飾られた絵画や写真。 作り上げるまではデジタルがふんだんに使われたとしても、それを使う場面にはアナログが好まれる。 自分はそんな風に思う。 多様な局面でデジタル化された社会が確立されたとしても、きっと人はアナログな世界の中に価値を求めて行く存在だと感じる。 どんなにデジタル化されてもその先にあるアナログな世界観にきっと辿り着く。 人ってほんといいものですよね。 2020/12/4 Gallery.yoshimasa

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街撮りクリエイター

Gallery.yoshimasa 神戸
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