kobo himari

　　木工房「ひまり」へお越し頂きありがとうございます。
　古代ギリシャでプラトンやアルキメデスが発見し愛したポリヘドロンは、現在では正多面体・半正多面体など多岐に分類されています。何れも優れたデザイン性があり、幾何学に裏付けされた造形美は現代のデザイナーも及ばないと言われ、その完成度の高さには飽きることはありません。
　数あるポリヘドロンの中から、デザイン性や機能性の高い多面体を照明器具としてアレンジし、皆様にお手頃価格でご提案できればと思っています。
夜は暗さと明るさの対比があってこそ 照明の真価が問われます。また照明ほど「心に触れる」インテリアはないと言われます。
照明は"明るくするもの"という認識を取り去れば、「心に寄り添う」灯りを見つけ出すことが出来ると思います。
　つろぎや癒しが求められるいまの時代、"灯りに何を選ぶか"今一度見直してみませんか。

□ご参考　
日本の伝統木工は、くり物(削り)、ひき物(ろくろ)、たが物(桶・樽)、曲げ物、指物に分けられます。当工房の灯りは指物に当りますが、球形多面体を指物技法で製作するには困難を極めます。しかし江戸時代には既に和算で三角関数表が作られており、立方八面体等の行灯が指物で製作されていました。
　球形の幾何学多面体を木工で製作するには立体指物技法で組み上げる必要があります。木と木を釘を使わず接合するには、指物で「継ぎ手」と呼ばれる技法が使われます。継ぎ手には 留継ぎ・組継ぎ・相欠接ぎ・臍(ホゾ)継ぎがあり、またこれらを組み合わせた高度な継ぎ手も存在します。しかしこれらの技法は主に箪笥や家具・調度品などに使われており、行灯等の比較的小さな木工製品には、留継ぎと膠(にかわ)や竹釘による接着が主でした。もちろん組継ぎ等で作られた行灯もありますが、厳選された材木、卓越した技術、長大な時間は青天井のコストとなり庶民には手が届きません。現代でも。
　当工房も留継ぎと強力接着剤の組み合わせで製作しており、出来る限りコストを抑えています。工房では檜のL材(角材の断面をLの字に加工)を多用しますが、これが厄介な材料で、カット後に収縮歪・反り・捻りが必ず発生します。組付け精度を上げるにはカット後の選別が必要になり、廃棄する材料も少なくありません。また反りなどを予め予測し、角度を調整しながらカットする場合もあります。
　ハンドメイド作品のコストメリットを活かせるよう材料の選択、製作手法の改善、工程の短縮等日々努力しています。

　※展示品の中にも製作可能な作品もあります。価格・納期などお気軽にお問い合わせください。

　信州 安曇野で野菜作りの傍ら、手作り木工で主に多面体幾何学(ポリヘドラル・ジオメトリー)をデザインした照明器具を製作しています。
　使用する電動工具は丸鋸1丁です。CNC加工機やレーザー加工機・3Dプリンターは使用せず、手作りにこだわって制作しています。
家庭用電子・電気機器修理技術者の資格を有しており、確実な配線を実施し、電気パーツには確かな物を選定し採用しています。
　日常の慌しさの中、黄昏後の安らぎの時に優しい灯りを添えられたら幸いです