こんにちは。店主のジョルソン(日本人)と申します。
コヒレトロビンテージについてお話しさせてください。
2006年頃、私たちはニュージーランドのオークランドに住んでいました。
当時ハマりにハマったのがアンティークショップ巡りでした。
島国であるニュージーランドには物を大切に使うという精神があり古い物も多く
アンティークやセカンドハンドが身近にありました。
最初はお金もなくセカンドハンドの生活用品を得るための中古巡りだったのですが
なんか古いけど素敵な物がここにはやたらたくさんあることに気がついたのです。
オークランドには数々のアンティークショップやセカンドハンドショップがありました。
アンティークフェアも頻繁にありました。お店にはそれぞれの得意分野や特色もあり、
毎週末に出会う新しい衝撃に近い発見が楽しくて仕方がありませんでした。
そんな週末の楽しみがありつつ、ニュージーランドでの毎日はあまりすることもなく
ダンナと二人。夜は長く、家にはテレビもなく、Youtubeも始まったばかり・・
予想外に時間を持て余していました。
そんな時に日本から持ってきてた「ネットショップを始める本」を思い出したのです。
日本ではあんまりなさそうなタイプのレトロな商品を売ってみようか。
と思いついたのが始まりです。遠く離れた日本とも繋がっていたかったのです。
それぞれダンナが思うレトロと私が素敵だと思うレトロを発掘しながら
未熟な写真画像で商品の販売をスタートしました。
しかし当たり前なのですが、なかなか売れません。
初めて購入いただいたのはダンナが探してきた赤いストライプのカップ&ソーサでした。
「記念すべき1号」にダンナは有頂天になりました。(画像のセットです)
手にされたお客様の熱いメッセージや素敵に飾られたディスプレイの画像など
おくっていただき、本当に嬉しかったのを覚えています。
見つけたときの喜び、見つけていただいて購入された瞬間の喜び、
何より手にされて大切に使っていただいている事を知ったときの喜び。
人の手を渡って遠い島国から海を渡ってまた新しい命がよみがえる
大げさですが壮大なストーリーに思いをはせました。
ショップに挙げる商品全てとの出会いも全て覚えています。
そして日本と繋がっている感覚は寂しかった私の大きな救いとなりました。
レトロ巡りはニュージーランドでの毎日を本当に楽しく彩ってくれました。
その頃にすんでいたのがオークランドの「kohimarama」という地域です。
古い建物が残っている海辺の素敵な場所。
海辺のアールデコの古いアパートで始めたショップを「KOHI」と名付けました。
その後日本に帰ってきて今に至ります。
ニュージーランドではアンティークショップもネットオークションの勢いにより
古くからあった店舗も次々と閉まっていきました。本当に少なくなりました。
懐かしいショップのたたずまいも、あの独特の匂いももう存在しないのです。
レトロなものはネットでは簡単に出会えるものの、
アンティークショップでの直接の衝撃の出会いもほとんどなくなっていきました。
また、誰にでも発掘可能であり、特別なジャンルではなくなりました。
日本での超多忙な毎日で忘れそうになりながらも
「でもやっぱりレトロええよね」と
初めて購入いただいたときの喜びを胸に細々とレトロショップを続けています。
少しずつですが眠っている愛すべきレトロなものをアップしていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。