◆読み物◆「イーネオヤ」ってなに? イーネオヤの説明と自己紹介

◆読み物◆「イーネオヤ」ってなに? イーネオヤの説明と自己紹介

◆はじめに ご覧いただきありがとうございます。 イーネオヤ作家のマーニです。 わたしはイーネオヤという技法で主にアクセサリー作品を制作しております。技法自体が日本ではほとんど知られていないため、「イーネオヤ作家です」と自己紹介しても「なにそれ?」と思う方がほとんどではないでしょうか。 そのため、一つ一つの作品の説明の前に「イーネオヤとは何か」ということを簡単にでもお伝えすべきだ!と考えました。また基本のイーネオヤとわたしマーニの作品との違いについても簡単に触れさせて頂きます。 これらを少しでも知って頂ければ作品も違った視点でお楽しみ頂けると思います。 各作品の販売ページでは字数が多くなってしまうのでこちらのレターに読み物として掲載いたしました。 それではよろしくお願いいたしますm(__)m ◆トルコの伝統手芸オヤ トルコの伝統手芸に「oya(オヤ)」というものがあります。 イスラムの女性がかぶるスカーフに施す縁飾りの総称がオヤです。(※ごく一部に男性向けのものがあります)技法や使う材料によって名称が変わりますが、基本的には糸で形を作るレース編みです。代表的なものではイーネオヤ、トゥーオヤ、メキッキオヤなどがあります。 美しい装飾でもあり、スカーフがひるがえらないようにする重りの役割も果たします。 草木や昆虫など自然のモチーフが多く、花言葉のようにモチーフや色によって意味があり自分の意思を伝えることもできます。 オヤはもともと女性の手芸で、トルコでは昔に器用な女性が良い妻である、という考えがありました。 そのため嫁入り道具の一部としてオヤを施したスカーフをたくさん嫁ぎ先へ持っていく慣習もありました。 オヤはもともと女の子が家庭の中で代々教わって伝えられたもので、その家庭によってモチーフの編み方なども違います。また、地域によっても特色や個性も異なります。 都市部や地方などで差はあるかと思われますが、オヤ文化はかなり衰退してしまいました。現在ではトルコ人でもオヤ自体を知らない人もいます。技術を教える場も家庭ではなく習い事のオヤ教室などに代わってきています。 近年では海外で評価されたり観光土産として商品的価値が生まれたことなども影響し、以前よりはオヤ文化に再興の兆しがあります。スカーフ以外の布小物の飾りや、ネックレスやブレスレットなどアクセサリーも多く作られるようになりました。素材も絹糸からナイロンやポリエステル糸が主流になり、時代に合わせて変化しています。 ◆縫い針で編むオヤ「イーネオヤ」 日本名称「イーネオヤ」はトルコの伝統手芸「iğne oyası(イーネ・オヤス)」。「縫い針のオヤ」の意味です。 オヤの中で最も古いとされるイーネオヤは裁縫に使う縫い針で編むという個性的な技法です。正確には不明ですが紀元前2000年ころにはあったと言われています。 縫い針に糸を通し、1目1目ほどけないようにぎゅっと結び目を作ることで編み進んでいきます。こうした地道な作業でしっかりとした形が作れます。 平面的に編むこともあれば立体的に形を作ることも可能です。 縫い針に通すくらいの細い糸で編む繊細さと、独特な技法の編み目がとても魅力的です。 イーネオヤの技術を習得することはとても難しいというわけではありませんが、形を作れるまでにはやや根気強い練習が必要です。 そのためか、かつてはオヤ文化の主流でしたが、今はより手軽に作れるトルコ風かぎ針編みトゥーオヤがオヤの主流技法になっています。 ◆自由に表現したマーニの変わり種なイーネオヤ作品 最後に少しだけわたしのイーネオヤ作品について。 わたしマーニは生まれも育ちも日本です。たまたま図書館でイーネオヤの本を見かけて軽い気持ちで編み始めましたが、編めるようになるまで一生懸命、毎日練習をしました。その後、このとてもシンプルな編み方の中で色合わせや形で自分の世界を作り出すことが楽しくて仕方なくなりました。 本場トルコの作品にも興味を持ちいくつか所有しています。トゥーオヤとトルコ語も勉強中です。 わたしの作品は本場の正統派イーネオヤのものとは少し作風が違っていると思います。技術はしっかり守りつつも楽しく、自由にアレンジを加えてさせてもらっています。例えばガラスビーズやチェーンなど違う魅力の異素材を従来のイーネオヤ作品よりも多く組み合わせてオヤの素材感を引き立てています。 トルコの伝統的なデザインは日本で生まれ育ったわたし自身の感性とは当然違います。異国情緒のある形や色使いはとても美しく魅力的ですが、自分自身が作り上げたい世界観はまた違うものです。そのため作品の形と色合わせはすべて自分で表現したいデザインを考えています。 作品は日本の日常の中でも使いやすいものにしています。無難にまとめるわけではなく、色か形か、どこかにこだわりを感じさせる作品を、と意識して制作しております。 伝統や歴史をリスペクトしつつ、自由に自分ならではの作品制作を続けています。 正統派ではない変わり種の存在ではありますが「マーニのイーネオヤ作品」を気に入って頂けたら幸いです。 ◆お読み頂きありがとうございます◆ 簡単にですがオヤ、イーネオヤ、そしてマーニの作品について解説いたしました。 少しでもイーネオヤの魅力が伝わりましたら嬉しいです。 お読み頂きありがとうございましたm(__)m

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トルコ手芸が大好きな日本人イーネオヤ作家

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