黄色の少女
赤の少女
黒の少女
白の少女
皆、素晴らしい色を持つ。
皆、笑顔で遊ぶ無邪気な心
黄色の女
赤の女
黒の女
白の女
皆、素晴らしい「とげ」を持つ。
一人の女が司祭に問いかける
とげは、「悪魔」と戦うためにあるのですか?
いいや・・・違う。
とげは「違い」を封じ込めるためだ。
女が司祭に問いかける
違いが「悪魔」に転じてしまうのですか?
いいや・・・違いそのもの“が悪魔なのだ。
違いが悪魔なら・・・・目の前の司祭も悪魔では?
疑問はつのるが・・・今日のことは忘れ、明日も勤勉に働こう。私には、かわいい娘がいるのだから・・・。そう、「花の色分け」が大切な私の仕事。
数ヶ月経ち、
二番目の女が司祭に問いかけた
何故なのか?と。
司祭は語りかける。ゆっくり諭すように。
「お前は前もここに来た女であろう」
「既に答えは教えてあるはず。無駄な時間は割かず、かわいい子供のため、働くがよい」
いいえ、私は前の女などではありません。司祭様にお会いするのは始めてです。
「嘘をつくのは止めておきなさい。」
「お前は以前と同じ色の女ではないか。」
同じ色でも違う女なのです。司祭様。
「お前には私の慈悲が解らないのか・・・いつも皆を大切に想う私の慈悲が・・・」
仕方なく、家路へと急ぐ女。
数日後・・・「大切なニュース」が流れる。
二番目の女が、嘘つきの大罪により捕られ処刑された・・・。そう、「処刑ニュース」は皆を守るための、大切なニュース。
パソコンの時計は、2100年を表示する。
ニュースでは、司祭が慈悲を語りかける-正義という名の慈悲。今日のテーマは、「歴史の教訓」
「魔女狩りというものが遥か昔にあったことをご存知ですか?司祭様。」
ああ、知っているとも。私の遠い祖先は、魔女狩りにされるところだったのだ・・・。
「大変な目に遭われたのですね」
「ところで、何故、魔女狩りに・・・。歴史に学びたいと思います」
確か・・・
そう、確か「肌が日に焼けたため」だったような・・・。
最初の女“は心より祈り始める 「二度と太陽が昇りませんよう・・・」そして・・・最初の女の大切な娘、地球の子供達、全てが闇に消えていく・・・。
「沈黙」という名の優しさと共に。
© Nobuya