彼方からでは本漆を使用したアクセサリーを
いくつか制作しております。
そもそも漆とは何か。
すこしお話しさせてください。
本漆とは、うるしの木から搾取した天然の塗料のこと。接着剤としての役割も担ってきました。
私たちが普段目にするものでは、よくお吸い物などの器や、箸などに使われます。
お正月用のいいやつとかね。
(あ〜!あれね!とピンとくる方いるはず)
さて、漆を塗る作業というのは非常に手間がかかりまして。
特に乾かす作業なんかでは、漆の中には酵素が含まれていて、その酵素が空気中の水分を取り込んで乾きます。
つまり、乾燥ではなく、水分で固まるということ。
一定の温度、湿度でないと乾かない上に、手につくと1週間は落ちず、さらに肌がかぶれてしまったりします。
(作品の段階では乾いてますのでご安心ください。)
正直に言いますと
すごーーーーく扱いにくい。
ものすごーーーく手のかかる子…!!!!
しかし、日本では6800年ほど前から使用されている受け継がれてきた伝統。
そのなんとも言えない上品な艶、
長年使えば使うほど増していく
強度や美しさ。
本当に魅力的です。
そもそも6800年前なんて科学が進歩していないその時代にどうやって、漆の汎用性に気づけたのか。不思議ですよね。浪漫です。
そういった、はるか彼方の時代から繋がれてきた伝統を、ほんの微力でも紡いでいけたらいいな。と、
今日もひとり小さなアトリエで思うのでした。