木は自然そのもの。
同じ木目の木は世界に二つとありません。
似ているものはもちろんありますが、ひとつひとつ全てが違い
それぞれ唯一無二の個性を持っています。
当たり前のことなのに、木工に携わってからそれを毎日実感しています。
同じ木の種類なのに「あの時の木」とは違う。
いまでも思い出すときがあります。
数年前の「あの木」は今でも大切に使ってもらってるかな。
その作品を手にしたとき、写真を見たとき、
それは世界にひとつだけのもの。
そして二度と出会うことができません。
だから私はひとつの作品ごとに写真を撮ります。
同じ形であっても、
その作品は世界にひとつだけのものなのだから。






一期一会

「板を切っただけなのに高いね〜」
イベント会場で時々そんなことも言われたりします。
確かに、私も物作りをしていなかったら同じように思ったかもしれません。
また、その逆で「丁寧に作っているのに安いね〜」っておっしゃる方も多いです。
この違いは何か。
それは、物が出来るまでの「行程」と完成までの「労力と時間」を知っているか否かです。
またはそれを想像できるかどうかだと思います。
ここをご覧になっている方は「手づくり」「ハンドメイド」をよくご理解している方だと思いますし、
大量生産品にはない一品物を手にする喜びを知っている、素晴らしい感性の持ち主の方だと思います。
嬉しいことに、そういった方々が年々増えてきています。
そう、気がついたのだと思います。今までのモノの価値観や価格の不自然さ、
本当に自分が欲しいもの、そしてそれが量産品には無いことを。

多くを語る必要はないとは思いますが、この機会に簡単にご紹介いたします。

＊板を切るだけでは滑らかで美しいカッティングボードにはならない＊
ホームセンターなどでは見かけることは殆どない、広葉樹を製材したままの原木。
写真のような数年乾燥させた木材を広葉樹専門の木材屋さんから仕入れます。
基本的に国産広葉樹は東北、
特に寒く厳しい地方で育った年輪の密な岩手県産の木材を使用しています。
1枚が長さ2メートル以上で幅は20センチから50センチ、厚さも3〜5センチと様々。
1枚の重さは女性がやっと運べる位の重さです。
私の小さな工房では運び入れるのも困難な重さと長さです＾＾；
初めて見る方は、ここから滑らかなカッティングボードが出来るとは到底思えないほど、
表面はガサガサでささくれ立って、染みや反り、曲がりが凄い事になっています。
ここから、どんな大きさや厚さ、どんな形にするか考え、
そしてどこを切るか考えます。
必要な大きさにカットした木材は当然ガサガサのままですし、
お椀のように反ってたり、ねじれたり、刀のように曲がっていたり。
まっすぐで平らな場所は少しもありません。
そこからカンナをかけて平面、一定の厚さにしてから目的のアウトラインに切ります。
厚さが厚い場合は、挽き割って半分の厚さにする時も多いです。
そして、1回目の粗いヤスリがけ、角を丸くするアール加工。
焦げるときがあるので焦げも丁寧にヤスリがけ。
次に水引き。ヤスリがけである程度奇麗にしたのに「水」を刷毛で塗り翌日まで乾燥させます。
これは木の繊維を濡らして予め起こしておき、
実際にお使いになるときになるべくガサガサしないようにするためです。
この水引きをやっていない作家さんも多いです。面倒ですし1日失いますから＾＾；
その起きた繊維を今度はもっと細かいヤスリで研磨し、さらにもっと細かいヤスリで研磨。
木にそこまで細かいヤスリがけは必要ないとおっしゃる方も多いのですが、
私はそうは思いません。
それは私の前職でのノウハウや趣味の工作、そして長年実践してきた結果、
手間はかかりますが、やるのと、やらないのでは大きな差があると確信しているからです。
手に取った時の感触と感動を感じて頂くには、どの行程も省くことは出来ないのです。
最後は角や穴の周り、くびれた場所などを同様の回数のヤスリがけを手作業で行います。
仕上げは蜜蝋ワックスを塗布して拭き上げて、数日乾燥させて完成です。
実際はもっともっと細かい行程があるのですが、ざっくり説明するとこんな感じです。
20枚のカッティングボードが「加工だけで」10日以上かかる時もあります。

そして最後にデザイン。
誰が作ったどのカッティンングボードも似ています。
確かに四角だったり、持ち手があったり、曲がっている面白いデザインだったり。
「まな板」としてのデザインには限界があり、誰が作ってもある程度似てしまうのは至極当然。
しかし、よく見てみてください。持ち手の首の部分が滑らかなアルールで繋がっている、
全周全てが滑らかに面取りしてある。それが加工に1日、2日かかってしまうとしても、
そうしたちょっとしたデザインの違いが、
カッティングボードの雰囲気や印象に大きく関係しています。
丸っこいデザインもエッジの効いた角張ったデザインも私はどちらも好きで作っています。
そしてその「板を切っただけ」のカッティングボードの中にも、
その作品を誰が作ったものなのか一目で分かるほどの個性を放っています。




カッティングボードができるまで

長年木に携わっていると、加工する前でもその木がどんな木目なのか、
色の傾向や濃さが何となく分かったりします。
そして実際にカンナをかけると「前にもこんな感じ見たことがあるな」とか
「今回のは奇麗だな」「いつもより色が薄いな」とか。
想像の範囲内であることが多いのもたしか。
でも稀に、想像を超える美しい木目や色合い、
杢（もく）や斑（ふ）、グラデーションなどが現れことがあります。
そんな時は手が止まり、このままこの加工を続けてもいいのだろうか、
もっとこの木に相応しい作品があるのではないだろうかと考え込んでしまいます。
そして、結局その木は切れずにそっと元あった場所に仕舞ってしまう。

～Wood Jupiter 宙（ソラ）～ は、
そんな大切に保管してきた木目や色の特に美しい部分を厳選し、
惑星を思わせる部分を使って形にしています。
木工を始めてからずっと、奇麗な木目や色のグラデーションに出会う度に、
ガス惑星の縞模様とその木目、そして宇宙への思いを重ねていました。
いつか自分が好きな宇宙をモチーフにした作品を作りたいなと思いつづけ、
早いものでもうすぐ10年が経とうとしています。
いつものルーチンワークからはずれ、
じっくり「考える時間」と「作る時間」を得ることが出来たことでそれがやっと実現しました。

ぜひ手に取って眺め、身につけて楽しんでみてください。
いろんな惑星をコレクションしてみるのも楽しそうです。

どんな木でも言える事ですが、
今回は特に厳選していますので同じ模様と色合いには二度と出会うことができません。
そう書くと、ご購入を急がせているように感じるかもしれませんがそうではなく、
実際に私が「あの時の木を今使いたかった」と何度も後悔したことがあるからです。
それほど「木という自然素材」は唯一無二で、同じようなものは無く、
〜宙〜に相応しい美しい木目と色合いの木にはなかなか出会えないのです。

気になる惑星を見つけたら番号を記入してお気軽にメッセージを送ってください。

ご購入の有無に関わらず、各惑星のアップを見たい等のリクエストがありましたら
番号をご記入の上お気軽にメッセージを送ってください。（例：A-1）
単体で撮影して、ギャラリーに展示のみ公開いたします。

気に入って頂けましたら、金具の取り付け組み立てを行い改めてお客様専用としてアップいたします。
ループタイは組紐を発注してからの組み立てと撮影になりますので1週間程度、
ブローチは数日のお時間を頂きますのでよろしくお願いいたします。

A-1古木桜                       　　                                       　    
A-2林檎(sold out)                          　　                                 　
A-3ブラックウォールナット 　　                                   　     
A-4パープルハート            　　                    　   
B-1アオダモ
B-2カエデ
B-3古木桜
B-4ホオ
C-1けやき
C-2※シークレット(sold out)
C-3エンジュ
C-4ブラックウォールナット(sold out)
D-1シュリザクラ
D-2クワ
D-3けやき
D-4ナラ


Wood Jupiter ～宙(ソラ) ～

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「秋田ふるさと村 アート&クラフトフェア」

6月27日（金）9:30~17:00
6月28日（土）9:30~17:00     
6月29日（日）9:30~15:00

場所→秋田ふるさと村 ドーム劇場、お祭り広場

今年2月にもお邪魔した秋田ふるさと村のかまくらクラフト市。
6月は外の芝生広場にもテントが多数並び、全国各地からプロのクラフト作家が集まる
狭き門の元祖クラフトフェア！そして三日間！
第2回目からずっと参加させて頂いている大好きなイベント。
パン&スイーツフェアも同時開催！私達もいつも買いに行っています＾＾；
まだ来たことがない方はぜひ！きっと楽しんで頂けると思います。
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2025年 ＊イベント出展予定 ＊

ご覧頂きありがとうございます！

SOLD OUT（売り切れ）作品の「再販リクエスト」について書いてみたいと思います。
もし私自身がminneでお買い物を楽しんでいて、
お気に入りの作品を見つけてそれが「SOLD OUT」だったら、
たぶん私は購入を諦めてしまうかもしれません。
メッセージを送ったり、「再販リクエストボタン」を押したら必ず買わなくちゃいけないのかななんて思ったり。
いつ完成するのか分からないし、その時の支払いのことを考えたり、木目や色合いが違うものになるかもしれないし。
優しい方なら「作家さんに無理を言っているようで」なんて思うかもしれません。
実際に私だったらそんなことを思ったりいろいろ考えて、結局購入を諦めてしまいそうです＾＾；

お気軽にメッセージを！って作家である私自身が時々ギャラリーやInstagramに書いてますが、
もし自分が送る立場だったらと考えると実際はそう気軽にメッセージって送れないものです。

だからもし、お気に入りの作品が「SOLD OUT」だったらぜひ「お気に入り」に追加してみてください。
それだったらご購入の意思や有無に関わらず、誰でも気軽にできるはずです＾＾

無限に広がるネットの中で奇跡的に見つけて頂いた作品を、
SOLD OUTにも関わらず「お気に入り」に追加して頂けるなんてこれ以上のことはありません。
そして、その「お気に入り」に追加して頂いたことは「中の人」であるR's Factory私自身に伝わります。
気に入って頂ける方が一人でもいるなら、私はそれを必ず作ります。
もちろん、今現在作っているモノ、作る予定と完成までの時間、
冬はオイルステインの乾燥だけでも２週間もかかっちゃうし、
すぐにギャラリーへの掲載は無理かもしれません。
でも次に作る候補になるのは間違いありませんし、作る意欲が湧きます。
そして、その作品の個性（木目や色合い、節の場所）がイメージと違えば、そのままでもいいんです。
好みのモノが現れるまで待っていていいんです。それが縁であり出会いでもあります。

どうしても「中の人」になってしまうとお客様の気持ちを忘れがち。
SOLD OUT作品の編集をしていて見つけた「再販リクエスト」ボタンを見て、
「自分だったら押せないな」なんて思い、今の気持ちを文章にしてみました。

でも実際は、再販リクエストやメッセージを頂くと中の人はめちゃくちゃ嬉しいものなのです＾＾

最後まで読んでくれてありがとう！

SOLD OUT（売り切れ）の作品について

ご覧頂き誠にありがとうございます。

そして、ここをご覧になって頂いているということは、
R's Factoryの作品を気に入って頂き、
そしてR's Factoryの中の人である私たち夫婦の事を気にかけてくださる方々だと思います。

ここまで深い場所に来て頂き、そして読んで頂き本当に感謝しております。

＊ minne'sセレクト作品についてお伝えしたいこと ＊

木目や色合いが個性なのだから同じ形の作品でもあっても
ひとつひとつ写真を撮ってそれぞれ掲載する。
それはレターの中の「一期一会」にも書いた通りです。
そのスタンスは今後も変わりません。
でも例外がひとつだけあります。
嬉しいことに時々minne'sセレクトでご紹介頂く時があります。
そのセレクト頂いた作品は１年間ご紹介頂けます。
売り切れたとして、新しく作った「同じ形の作品」を作ったとしても
minne様の仕様上、その写真を「換えることができない」のです。
では新しく掲載すれば良い？ それだともうminne'sセレクトから外れてしまうのです。
私もいたって普通の人間。
「アクセス数」や「お気に入り」を沢山頂けるのは素直に嬉しいものです。
そして、無限に広がるネットの中で、
多くの方にR's Factoryを知って頂く数少ない機会でもあります。
おかげさまで、minne'sセレクトに掲載して頂いた「スパイスラック」は即日完売。
すぐに作って写真を撮って、minne'sセレクトで紹介して頂いた作品の写真と、
新しく作った同じ形の作品の写真を換えたいのにそれができないジレンマ。
minne様がそのような仕組みにしているのも十分理解できますし、
そうしないといろんな問題が起きることも十分理解できます。
たとえ工業製品だとしても全く同じ作品や商品はありません。
その差が誰にも分からないほんの僅かな違いであれば「在庫数」を増やす方法もあるでしょう。
でも木工作品は「木目や節穴がその作品ひとつひとつの最大の個性」と思っている私は、
同じ形であっても「同じ作品」として在庫数を増やす訳にはいかないのです。
これは私の中の決まり事、そうポリシーなのです。
現物を見て触って、重さや質感、香りまでも感じて作品を好きになってほしい。
（ネット販売では質感や香りはお伝えできませんが＾＾；）
そんな事情もあり、「minne'sセレクトの作品は当時の写真はそのまま残し」、在庫を１とし、
受注生産という形をとり、複数製作した作品の写真を見て頂き、
その中から選んで頂くという形にしました。

完成までお時間を頂くことになり申し訳ありません。
在庫がある程度ストックされればすぐにお送りできますが、
通常で2〜３週間、春からのイベントシーズンは、
1ヶ月以上のお時間を頂くことになるかと思いますが何卒よろしくお願いいたします。

長い文章なのに、最後まで読んで頂き誠にありがとうございました。

https://minne.com/items/26880562
こちらの専用ページよりお選び頂けるようにしています。
完成後に改めてお知らせいたします。

P.S. 市販品には絶対に無い、節穴好きさんの為の（私も大好き）作品があります。
今回セレクト頂いたものと同じ形で節穴だらけの超個性的な作品も作っています。
合わせてご覧になって頂けると嬉しいです！





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