【はじめに】
こんにちは。
tefuteのHorohoroです。
皆さまはアクセサリーを購入するとき何を考えて見ていますか?
デザインですか?
価格ですか??
これを身につけたらあんな自分になれるかな??
どれもお迎えするときには大事な要素ですよね。
さまざまあるかと思いますが、tefuteで特に大事にしているのは『素材』です。
tefuteでは初めて以来ずっと『サージカルステンレス(SUS316 L)』という素材に拘ってアクセサリー作りを行っています。
デザインが変わってもこれだけはずっと変わっていません。
今回はそんなtefuteが拘って使用しているサージカルステンレスSUS316 Lという素材について詳しく説明させていただきたいと思います。
作品紹介欄にも記載しておりますが文字数の関係上簡単な説明しかできておりませんので、ぜひこの機会にご一読ください。。。
【サージカルステンレス(SUS316 L)とは】
サージカルステンレス(SUS316 L)とは、ステンレス素材の一種です。(合金)
ステンレスといえば錆びにくいという印象があるかと思いますが、ステンレスにもいくつか種類があります。
<ステンレスの種類>
・マルテンサイト系(クロムステンレス)
・フェライト系(クロムステンレス)
・オーステナイト系(クロム・ニッケルステンレス)
・オーステナイト・フェライト系<二相系>(クロム・ニッケルステンレス)
・析出硬化系(クロム・ニッケルステンレス)
ステンレスの種類によって適したものが作られます。
アクセサリーはこの中でもオーステナイト系が良く使われます。
<代表的なオーステナイト系ステンレスの種類>
・SUS304
・SUS304L
・SUS321
・SUS316
・SUS316L
・SUS310S
この中の『SUS304』と『SUS316L』がよくアクセサリーに用いられています。
どちらも金属アレルギー対応とされている素材ですが、『SUS316L』は耐食性と耐孔食性をSUS304よりさらに向上させたステンレス鋼で、海水にも優れた耐食性があるそうです。
『SUS316L』の主成分はクロムが18%、ニッケルが12%、モリブデンが2.5%、炭素が0.03%以下、それ以外が鉄とされています。
【金属アレルギーとは】
金属アレルギーとは、金属が汗などで溶け出しイオンとなって体内で吸収された時、体が金属イオンを異物だと判断し拒否反応を起こすことにより引き起こされるアレルギー反応です。
花粉症と同じで、今まで金属アレルギーが無かった人も、その金属イオンの蓄積によりアレルギーを発症する可能性があります。
<金属アレルギーの原因金属>
金属アレルギーの原因として挙げられることがある金属としては、
コバルト、ニッケル、スズ、亜鉛、クロム、鉄、銅、金
があります。
特に一般には金属アレルギーの原因の第一位は、ニッケルだといわれています。
その理由は、『ニッケル』が酸に弱く、 汗の中の塩化物イオンがニッケルを溶かす作用が強いこと、さらにニッケルを含んでいる製品が多いことから触れる機会が非常に多いからだと推測されています。
また『コバルト』はニッケルと関連性の深いアレルギーで、ニッケルアレルギーの半数以上の人にコバルトアレルギーがあるそうです。
先に挙げた金属のなかでも『金』は酸に弱いわけではありませんし、金属アレルギーが起きにくいと言われています。
しかしその一方で「2017年度 家庭用品等に係る健康被害 病院モニター報告」によると、モニターからはニッケル、金、コバルトに関してアレルギー反応が確認されています。
これは近年金製のアクセサリーを選ぶ方が増えている影響だと言われており、ニッケルと同様触れる機会の増加が要因だと考えられています。
特にピアスは自分の体にあけた穴に使用するため体内に金属イオンが入りやすいようです。
『銀』はアレルギーを発症するケースは非常にまれなようですが、「SV925」「SV950」「SV1000」などの種類があり、銀以外に混ぜられた他の金属にアレルギーを示すことがあるそうなので、金属アレルギーの方は自分が一体どのような金属にアレルギーがあるのか病院で確認しておいた方がいいと思われます。『プラチナ』も同様に混ぜられた他の金属に気を配る必要があります。
<金属アレルギーになりにくい金属>
逆に最も金属アレルギーになりにくいとされている金属は『チタン』です。
(以下チタンの内容SWECOhttp://sweco.jp/allergy_to_metal.htmlより引用)
チタンは水に溶け出しにくい、金属アレルギーの起きない金属として有名で、耐久性もあって海水にも強いことから、建物や乗り物にも利用されているそうです。しかしチタンにも金や銀同様に純度があります。
「純チタン」「チタン合金」「酸化チタン」などに分けられ、さらに「純チタン」の中でも「1種(純度99.585%)」「2種(純度99.485%)」「3種(純度99.415)」「4種(純度99.015)」と分けられています。一番純度の高いチタンは「純チタン」の「1種」となります。
金属アレルギー対応アクセサリーとして使用されているのは、加工のしやすさから「純チタン」の「2種」が多いようです。
もしチタンにアレルギーの疑いがある場合は、まず他の金属との合金でないか、他の金属でメッキ加工されていないかを確認することが必要です。
【サージカルステンレスはなぜ金属アレルギー対応なのか】
ここまでサージカルステンレスSUS316Lと金属アレルギーをおこす金属に関して書かせていただきましたが
ここまで読んだ方は「なぜ『SUS316L』は金属アレルギーの原因になりやすいクロムとニッケルを含むのに金属アレルギー対応素材なの?」
という疑問を持たれたかもしれません。
金属アレルギーの対処法としては、金属と皮膚が接触しないようにするのが一つの手です。
金属と皮膚が接触しなければ。。。溶け出した金属イオンが直接皮膚に吸収されません。
サージカルステンレスは、含まれているクロムが酸素と結合することで、表面に酸化被膜(不動態皮膜)をつくる性質があります。
金属がこの膜で覆われるため、錆びにくく、金属イオンが溶け出しにくい性質を実現しています。
被膜があるおかげで、金属が肌に直接触れないようになっているとイメージするとわかりやすいかと思います。
また、この被膜はコーティングで作られたものではないため、剥離する危険性もありませんし、傷がついてもクロムが酸素と反応してまた酸化被膜を形成します。
そのためアレルギーの原因となりやすいクロムやニッケルが含まれていても、膜があるお陰で金属イオンとしてイオンが溶け出しにくく、金属アレルギーの人でもアレルギーを発症せずに身につけることができます。
(*今のところ幸いなことにアレルギーが出たよという報告を受けておりませんが、もしお肌に異常が感じられた場合は無理をせず使用を中止してください。)
基本的にこのような性質から、つけっぱなしでも海でも大丈夫な素材ですが、
酸化皮膜が破壊され被膜が再生しないような状況になると、金属イオンとして溶け出してしまう可能性があるそうです。
(特に塩素系の洗剤や漂白剤、硫黄を含む温泉、海水が付着したままの状態だとよくないそうです。)
お手入れしやすいサージカルステンレスですが過信しすぎず、たまにはお肌を休めたり、お手入れ用クロスで拭いてあげたりすることで長くお使いいただけますと嬉しいです。
【おまけ:金色のサージカルステンレス素材】
ここでゴールドカラーのサージカルステンレス素材についてご紹介させていただきたいと思います。
tefuteではニッケルフリーメッキのサージカルステンレス素材を取り扱っていますが、こちらに関しては「アレルギー大丈夫だったよ!」という人と「アレルギー出てしまいました泣」という人がおられました。
サージカルステンレスSUS316Lは、基本的にシルバーカラーの素材です。
そのためゴールドカラーにしたい多くの場合は、『メッキ処理』が施されます。
メッキ処理とは芯となる金属の表面に、他の金属の薄膜を被膜することです。
被膜なので長く使っていれば剥がれることもあります。
この場合はサージカルステンレスSUS316Lの表面に、他の金属を被膜します。
サージカルステンレスSUS316Lは表面の酸化被膜によって金属イオンが溶け出しにくい性質となっているため、表面がメッキ処理されていると
そのメッキの性質が一番表に現れることになるため、サージカルステンレスの性質を期待することはできません。
メッキが剥がれても芯がサージカルステンレスなので安心ということはあります。
私が見たことのあるサージカルステンレスSUS316Lのゴールドカラーの被膜は、『ニッケルフリーメッキ』と『K18メッキ』です。
<ニッケルフリーメッキ>
ニッケルフリーメッキとは、ニッケルを極力減らしコバルトを含まないメッキです。
金属アレルギーの原因となりやすいニッケルを極力減らし、コバルトを含まないことで金属アレルギー対応素材だとされています。
そのため重たいニッケルアレルギーの方だと、金属アレルギーの症状を起こしてしまう可能性があります。
また、金と銅を含んでいるため、これらの金属にアレルギーがある方も身につけないほうが良いです。
これから金属アレルギーを予防したい方や、これらの金属にアレルギーが無い方なら
ゴールドカラーを楽しめますし優れた素材だと思います。
<K18メッキ>
K18は75%が金のメッキ素材です。25%は他の金属が含まれています。
そのため金アレルギーのある方や、25%の他の金属に関しては気をつける必要があります。
気になる方は他にどのような金属が含まれているか、販売先に確認してみるといいかもしれません。
【なぜtefuteはサージカルステンレスSUS316Lに拘るのか】
金、銀、プラチナ…様々な良い金属素材があるのに、なぜtefuteはサージカルステンレスSUS316Lに拘るのか。
それはtefuteの目指すものの一つとして、『普段から気軽に使えるアクセサリー』というのがあるからです。
とっておきの日に使いたいアクセサリー。
それはやっぱり高級感があってデザインも素晴らしい、金、銀、プラチナやあこや真珠でできたものでしょう。
お気に入りのデザインは気分を上げてくれますし、私も大好きなジュエリーがあります。
TPOに合わせて必要な時もあるでしょう。
でもだからこそ私が毎日使うにはちょっと敷居が高く感じました。
大切だからこそ失くしたくないですし、どこかにぶつけて傷をつけたくないですし。
そう考えた時に、サージカルステンレスSUS316Lは『普段から気軽に使えるアクセサリー』というのに自分の中にしっくりきました。
ぶつけても傷がつきにくい硬い素材。
長時間身につけていても金属アレルギーになりにくい性質。
お手入れを少しさぼっても大丈夫な錆びにくい性質。
これなら多少ぶつけてもアレルギーも気にせず、気軽に身につけることができます。
『普段から気軽に使えるアクセサリー』ということで、デザインも肌にそっとなじむようなものが多くなりました。
硬く加工が難しい素材なため、自由なデザインが金、銀、プラチナに比べて難しいですが
ジュエリーに使用されるような天然石(宝石)を使用して、存在感と高級感が出るようにしています。
ジュエリー用貴金属は、金、銀、プラチナ、パラジウムで、素材に貴金属、天然宝石を用いた宝飾品をジュエリーだとされているため、サージカルステンレスSUS316Lを使用しているtefuteのアクセサリーは、ジュエリーとは呼べません。
しかし金とプラチナはさておき、銀の買取価格は1gあたり50円程だそうです。資産とするわけではないのなら、サージカルステンレスも選択肢の一つとして有りなのではないでしょうか。
tefuteはサージカルステンレスSUS316Lを使用して、毎日のお洒落の垣根を低くしたいと考えています。
【最後に】
ここまで長い記事を読んでくださりありがとうございました。
tefuteではこれからも、どんな人でも普段から気軽に使えるアクセサリーとしてサージカルステンレスSUS316Lに拘って作品作りをしていきたいと思っています。
これからも何卒宜しくお願い致します。