こんにちは、古美術希です。
本日は、伊万里染付の中でもひときわ愛らしく、そして実用性にも優れた「微塵花唐草紋様のなます皿」をご紹介いたします。
この器が作られたのは江戸の終わり、いわゆる幕末期。
時代の大きな変わり目にあっても、人々は美しく日常に寄り添う器を大切に使い続けていました。
微塵花唐草――可憐さと粋の融合
この皿に描かれているのは「微塵花唐草紋様(みじんはなからくさもんよう)」と呼ばれる細かな唐草に小花を散らした意匠。
蛸唐草に次いで人気のある柄で、よく見ると繊細な筆使いでびっしりと模様が描かれているのが分かります。
遠目にはまるで花畑のよう。
近くで見れば、その緻密な技と美意識に息をのむ――
そんな、時を越えてなお人の心を打つ器です。
◯×文様の高台、そして鎹直しの一枚
このなます皿は高台にも注目です。
◯×(マルバツ)模様が施された高台は、地位の高い者のために作られた献上品などでよく見られるもの。
上から見えない部分にまで丁寧な仕事が施されているのは、器の格を物語っています。
さらに5枚のうち1枚には、「鎹(かすがい)直し」と呼ばれる古の修理跡が残っています。
これは、割れた器を金属の留め具で補修し、また大切に使い続けていた証。
いまではなかなかお目にかかれない修理技法で、骨董ファンにはたまらない一点となっています。
現代の食卓にも馴染む万能皿
このなます皿、実は現代の食卓でも大活躍します。
煮物やお刺身、冷菜、サラダ、そしてスープまで。
縁が高く立ち上がっているため、汁気のある料理にも対応できる使い勝手の良さが魅力です。
また、当方では昔から「器を重ねて使う」提案もしています。
たとえば、このなます皿の下に昭和のレトロなカットガラスの丸皿を敷くと、まるでコンポートのような立体感ある盛り付けが楽しめます。
おもてなしの席やハレの日に、ぜひお試しください。
まとめ
骨董とは、単なる古いモノではなく、
「人の手で長く大切にされてきた証」。
このなます皿もまた、使うたびにその背景に思いを馳せることのできる逸品です。
どうか次の時代まで、愛着を持って使ってくださる方のもとへ届きますように。
▶︎ 商品ページはこちら
伊万里染付 微塵花唐草 なます皿 5枚組(1枚修理跡あり)
https://minne.com/items/36423411
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