江戸後期、1700年代後半に作られた
古伊万里 染付蛸唐草紋様の喰籠(じきろう)です。
直径約12.2cm、高さ10cm。
無傷完品。
外側全面に丁寧に描かれた蛸唐草。
自然が生み出す螺旋と曲線を、迷いなく筆で走らせています。
高台から立ち上がる櫛高台も当時の流行を意識した意匠。
小ぶりな摘みには釉薬がたっぷりとかかり、慎ましく、しかし凛と立ち上がっています。
<蓋物は最も難しい形状>
陶芸をされる方ならご存知の通り、
蓋物は最も難儀な形状です。
焼成時の収縮を計算し、
上と下がぴたりと合うように作らねばなりません。
1mmの歪みも許されない世界。
この個体は、蓋はがたつかず、ずれません。
高度な技を持つ陶工の仕事です。
<喰籠とは何か>
喰籠とは、本来食物を入れる蓋付きの容器。
室町期には書院飾りとして唐物が棚に飾られ、
やがて茶の湯の発展とともに、主菓子を盛る器として用いられるようになりました。
暖かい季節には陶磁器、
寒い季節には漆器。
季節や点前に応じて使い分けられる、
日本の美意識を体現する器です。
<現代での使い方>
梅干しや保存食など、
日々食卓に上がるものを入れてください。
小物入れにするには少々贅沢。
茶入れには大きい。
本来の用途に近い使い方が、最も美しい。
以前、より大きな古伊万里をお求めになった方が
「何も入れられないほど凄い。でも帰宅する度に圧倒される」と仰いました。
器は、所有者の感性を映します。
正真正銘の時代物。
珍品をお探しの方へ。
https://minne.com/items/42803974