江戸前期-中期
古伊万里染付 芙蓉手 向付 5客
大明年製
直径8.7cm
高さ6.5cm
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https://youtube.com/shorts/Sz2sFR85EsM
非常に薄手で、きめ細やかな磁肌。
手に取ると、驚くほど自然に馴染みます。
こちらの器の魅力は、まずその造形にあります。
全体は薄造りでありながら、縁には約1mmの厚みを持たせています。
これは割れにくさへの配慮と考えられます。
また、片手で持ち上げた際に滑りにくいよう、わずかな立ち上がりが感じられます。
使う人の所作まで想定した造形。
江戸の陶工が成す仕事は、単なる美しさではなく「実用の中の美」を体現しています。
[外側の意匠]
胴回りの線描きと植物文様の配置は実に絶妙です。
描き込みすぎない。
余白を活かす。
目に優しく、長く愛用された場合、飽きることなく生涯に渡り使いたくなる器です。
そうして現代にまで大事に受け継がれてきた訳が使うごとに感じられます。
所有者のみが味わえる骨董品の醍醐味を静かに受け入れられる器とも言えます。
[最大の見どころ ― 内側の絵付け技法]
器の最大の見どころは、内側の絵付けです。
筒状の向付の内側に描く場合、
通常の絵筆の持ち方では安定した線を引くことができません。
筆の穂先ではなく、柄の尻を持ち、
筆先のバランスを保ちながら
器を持つ手を巧みに動かして描いていきます。
つまり、筆を動かすというより、
器を動かして線を生み出すのです。
絶妙な力加減と集中力。
線描きを得意とする卓越した絵師でなければ成立しません。
見込に描かれた鳥の姿と流れる線は、その証です。
*中国では絵筆をL字にした道具も存在します。
[無傷で現存する意味]
ご覧の5客は、割れ・欠けなく無傷。
江戸中期頃までは、磁器は晴れの日の器として、まだまだ高価なものでした。
日常使いではなく、特別な場にのみ用いられてきました。
又、明治-大正期-昭和初期まで自宅で冠婚葬祭が行われるのが当たり前だった時代には、こうした先祖代々受け継がれてきた器で客人をもてなしていたとされております。
大切に扱われ、受け継がれてきた時間の積み重ねが、今回ご案内している器の状態を表しております。
5客揃いで受け継がれてきたことの奇跡を辿り日本の歴史を振り返っていただけましたら味わい深い逸品になるかと存じます。
[現代での使い方]
和食を主とした懐石料理には欠かせない向付。
しかしご家庭ではアイスやヨーグルトにも最適です。
古伊万里を日常的に使い「歴史を受け継ぐ」という静かな安堵感をも味わえます。
https://minne.com/items/39095770
※バラ売りはいたしません。
5客で継承されてきた逸品としてお納めいたします。
※後付けの木箱(共箱ではございません)をご希望の場合はお申し付けください。