Ｔの部屋 7. 手描きトラ猫「やっぱりスキ」Tシャツ

プリントではなく手描きですが、思い入れのある作品なのでＴの部屋に入れることにしました。 何年か前、私は長い間通っていた歯医者を変えました。 元来あまり歯が丈夫でないのか若い頃から歯医者とは縁が切れず、こちらの歯医者さんにはここ30年位通ってきました。 最近歯の詰め物が頻繁に取れるようになると、ある日医師から「詰め物が取れる原因は歯がすり減っているから。顎全体をかさ上げして隙間を空ける治療をし、(歯の中で唯一虫歯のない)下前歯6本もセラミックにして歯全体を取っ替える治療が必要」と言われました。 いきなり高額治療代（下だけでも100万円以上 )もですが、傷んでいない歯を削るのはどうかと質問すると、「しかたないですね」とそれ以外の選択肢はないと言わんばかり。 今までずっと通ってきたけれど… 何日も悩んだあげく、違う歯科医の意見を聞きたいと思いました。 すると突然、高校の時同じクラブ(まんが同好会)に所属していた友人を思い出しました。彼女は東京医科歯科大に入学していて歯科医になったはずですが、その後40年近く疎遠になり忘れていたのでした。 ネットで色々検索したら、院長が彼女と同姓同名の歯科医院を見つけたのです。 ある日思い切って電話をしてみると、なんと彼女本人が出たので！ビックリ！！ お互いの経緯はさておき、私の今の状況を電話で話すと、「その先生は多分経営難で急にお金が必要になり、常連患者から高い治療代を頂こうと考えたのでは？」という推測。 「経営難の歯科医も多い。自分は欲張らずに予約の日に何件かの患者さんを丁寧に診ている。」 そして彼女は「患者さん自身の歯を残す治療が一番」という考えかたのようでした。 後日彼女の医院に行くと、なんと医院は看護婦さんもなく彼女一人でやっていました。 内装や道具は一昔前の歯科医院で飾り気はありませんでしたが、清潔で安心感がありました。 私の歯を見て、「確かによく働いたな、という歯。でも治療しながら使えば特に問題ない」と言われてホッとしました。 「ここに通院しても良いけど家近くにもきっと良い歯科があるから見つけてみては」とアドバイスをくれました。 派手な宣伝はしていませんが、「隠れた名医」に会えたと、私はこの再会に涙が出るほど感激しました(T-T)。 そんなわけで、彼女へのお礼にこのTシャツを描いたのです。 猫さんを飼っておられるそうなので、漫画のコマ割みたいなストーリー風に描いてみました。