桜の樹のフラスコ

『高度に発達した科学は魔術と見分けがつかない』…… 『錬金術』が地球でいうところの『化学』に近い学問である世界 『イデアル』を旅する少年アルケミスト・エリクとアシッド。 己の夢や目的のために故郷を離れた彼らですが、 人知を超えた存在の思惑に巻き込まれていく未来を ふたりはまだ知りません。 　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊ 幼き日のエリクが、隣に住む元アルケミストのお爺さんからもらった錬成作品。 フラスコの中には現実の世界のように風が吹き、陽が注ぎ、花びらが舞い…飽きることのない景色を見せてくれます。 いつか本物の桜を見たい、そしてこんな作品を作りたい。 そう思ったエリクはアルケミストに憧れ、独学で錬金術を学び始めるのでした。