六条《源氏物語シリーズ》バレッタ（大）

《源氏物語シリーズ》のふたつめは、光源氏を激しく愛した女君、六条御息所をモチーフにした加賀ゆびぬきの大きめバレッタを作りました。表面の模様は絹糸をかがって作っています。 六条御息所は気高くり誇り高く美しい貴婦人。 光源氏よりは年上ですが、もともと先の春宮に入内していたこともあり、春宮との間に娘（秋好）もいます。 紫のゆかりをもつ女性ではありませんが、わたしの中でのイメージカラーは濃紫でした。そこに薄い茶色を足したのは、彼女の詠んだ、 　　袖ぬるるこひぢとかつは知りながら下り立つ田子のみづからぞうき 　　（涙で袖が濡れる恋路と知っていながら、泥（こひぢ）に濡れるとわかっていても田に入っていく農夫のように、あなたを想い続けるわたし自身がかなしくつらいのです） という和歌の「こひぢ」を表したかったからてす。この和歌はたくさんの和歌のある源氏物語の中でも特に好きな和歌で、気高い六条御息所が、自らを田の泥に濡れる田子に例えるほど、光源氏への想いに沈み込んでいる…ちょっとぞっとするほどの深い想いです。 緑の糸はラメ糸で、きらきらとしています（六条御息所を絡め取る恋の糸のイメージです）。 全体的に暗い色合いですが、ラメの緑が際立って地味な印象ではありません。 くぐり刺しで細かい市松模様を描いていて、光の当たり方で雰囲気が変わって見えるところも推しポイントです。 +++++++++++++++++++ 《百人一首シリーズ》を100首分作り終えて、次のテーマとして、リクエストも多く、わたしの好きな古典の中でも王道の『源氏物語』の人物をモチーフにした作品を作っていこうと思いました。 54帖という長い物語、登場人物は500人を超えると言われますが、その中でも主に光源氏と関わりのあった女君を中心に作りたいと思っています。 古典文学は、現代、それほど身近な存在ではありませんが、源氏物語は日本では知らない人がいないくらい有名な物語。 それぞれ思い入れのあるキャラクターやエピソードも多いと思います。 王朝絵巻のようにカラフルでうつくしい加賀ゆびぬきアクセサリーをひとつひとつ丁寧に作っていきたいです。 +++++++++++++++++++ 加賀の工芸品、加賀ゆびぬきをアレンジしたものです。 加賀ゆびぬきはその名の通りお裁縫に使うゆびぬきとして作られてきたものです。 なので、普通は指輪くらいのサイズなのですが、るまんとではそれをアレンジゆびぬきとして大きくつくってアクセサリーに加工しています。 表面は布を貼ったように見えますが、ひと針ひと針、絹の手縫い糸でかがって模様を作ってる、刺繍の一種です。 模様面は絹糸のすべすべつやつやとした質感です。 絹なので高級感がありますが、ぜひ日常のカジュアルな場面に取り入れてください。おしゃれ度をワンランクアップさせてくれます。 模様面は絹糸でできているため、濡れ・汚れに弱くなっています。 濡れた時はこすらず水分を拭きとって乾かしてください。