#314: 花の妖精リリィ

【作品イメージ】 　 　 　 ＊＊＊ 　 まず詩を一首 　 深き森の奥に咲く 花の髪の妖精 リリィの手から舞い降りる 小さな花の魔法 　 優しさと言葉の力で 癒しは広がりゆく リリィの笑顔が照らす 森に咲く命の光 　 ＊＊＊ 　 昔々、深い深い森の奥に、花でできた髪の毛を持つ小さな妖精、リリィが住んでいました。 リリィの髪は、ピンクや紫の花々で彩られ、まるで森そのものが彼女の上に咲き誇っているかのようでした。 彼女は森の花々と会話ができ、手のひらからも小さな花を咲かせる不思議な力を持っていました。 リリィの存在そのものが、森の魔法の象徴だったのです。 　 ある朝、リリィはいつものように森を散歩していると、何かがおかしいことに気づきました。 花々の色が薄れ、元気がなくなっているのです。風がそよぐたびに、花々は悲しげにうなだれ、まるで森全体が寂しさに包まれているようでした。 　 「どうしたの？ みんな、元気がないね……」 　 リリィは心配になり、森の奥へと進みました。 すると、古い木の根元に、ひときわ大きな紫の花が枯れかけているのを見つけました。 その花は、他の花々とは違い、深い紫色の輝きを放っていましたが、今はその色もくすみ、元気がありません。 　 リリィはそっと花に近づき、優しく手を伸ばしました。 　 「大丈夫？ どうして元気がないの？」 　 すると、花はかすかな声で答えました。 　 「私は長い間、誰にも話しかけてもらえなかったの。 寂しくて、悲しくて……その気持ちが、森のみんなにも伝わってしまったみたい……」 　 リリィは胸が痛くなりました。 彼女は花のそばに座り、言いました。 　 「ごめんね。私が気づかなくて。でも、もう寂しくないよ。 私がここにいるから。一緒にお話ししよう」 　 リリィは花に語りかけ、手のひらから小さな光を放ちました。 その光は花に優しく包み込まれ、少しずつ花の色が戻り始めました。 紫の花は再び輝きを取り戻し、森の空気も明るくなっていくのが感じられました。 　 「ありがとう、リリィ。あなたのおかげで、また元気になれたわ」 　 それからリリィは、森中を歩き回り、他の花々にも声をかけました。 彼女は一つひとつの花に寄り添い、話を聞き、手のひらから優しい光を送りました。 リリィの愛と優しさは、森の隅々まで広がり、花々は再び色鮮やかに咲き誇りました。 森全体が元気を取り戻し、生き生きとした命の息吹に満ちたのです。 それ以来、リリィは孤独な花や寂しそうな生き物たちを見つけては、優しく声をかけ、元気を与えるようになりました。 ある日、リリィが花々の中で笑いながら舞い踊っていると、森の生き物たちが集まってきました。 小鳥たちは歌い、リスたちは手を振り、蝶たちはリリィの周りを飛び回りました。 　 「リリィは妖精の魔法使いだ！」 「彼女の笑顔の魔法が、森を幸せにしてくれるんだ！」 　 生き物たちは口々に言い、リリィは照れくさそうに笑いました。 　 「魔法なんて、そんな大げさなものじゃないよ。 ただ、みんなが笑顔でいられるように、私も笑顔でいるだけだよ」 　 そして、リリィは今日も森の中を歩き、花々や生き物たちと語り合い、森に幸せを運び続けました。 　 ＊＊＊ 　 　 　 この作品は”Mystique in Bloom”というオリジナルコレクションの作品の一つで、 「幻想的な世界観の中にある花々とMystique（神秘）」をイメージしています。 　 　 　 　 【作品について】 　 　 　 私が個人で製作したオリジナルの作品です。 　 原画ではなくキャンバスにプリントした作品となります。 　 手作業による製作工程にAIツールを加え、心を込めて製作しています。 　 一点ものとなりますので、裏面にサインとシリアルナンバーを入れさせていただきます。 　 この作品を気に入っていただけましたら嬉しいです。 　 　 　 【重量】 150グラム前後 　 　 【材質】 綿化繊混紡、桐材木枠、UVインク