つくり手さんとシェアできそうな話題を書いてみようと思います。
アクセサリのパーツ類を接着するとき、何かのはずみで取れたりしないよう、強力な接着力が必要になりますよね。
アクセサリや工芸品を製作をされている方の多くが、金属や陶器・ガラスなども強力に接着できるエポキシ樹脂を使われたことがあるのではないでしょうか。
このエポキシ樹脂、2液を混合する必要があったり、乾燥まで時間がかかったりと、何かと手間なのですが、そのぶん他の接着剤とは比にならない強力な接着力を誇ります。
しかし、そんなエポキシ樹脂でも接着できないものがあります。
それはポリプロピレンやポリエチレンと呼ばれるポリオレフィン系のプラスチック、あるいはシリコーン素材です。これらの素材は液体を弾く力が強く、接着剤も弾かれてしまうため、接着するには専用のものが必要になります。
難接着物専用の接着剤で探すと、パッケージにPP(ポリプロピレン)/PE(ポリエチレン)等との接着が可能と書かれているものが見つかります。
ところで私は最近、木材とポリプロピレンを接着する必要のある工作をたくさん製作しなければなりませんでした。
ポリプロピレン専用の接着剤を使いつつ、2液エポキシの強力さも欲しいと思い、もう一工夫してみることにしました。
それは、木材とポリプロピレンの間に和紙をかませることです。
まず和紙とポリプロピレンを専用の接着剤で接着し、乾いてから紙の面と木材をエポキシ樹脂で接着しました。紙全般は接着しやすい素材であり、より強度のある和紙を使用しました。
【接着図】
|ポリプロピレン|(専用接着剤)|和紙|(エポキシ樹脂)|木材|
1液だと捻じる形の負荷をかければ簡単にとれてしまっていたのが、こうすることで軽い力では剥がれなくなりました。
「セメントはなぜ固まるのか」と同じく、接着の原理はまだはっきりと定義できないことがある分野なんだそうです。突き詰めて解説しているものを読んでみると、たしかに「分子間に働く何らかの引力」と集約されています。
原理は未知だけど便利に使えているものって魔法みたいですね。
【おまけ】
最近気付いた接着剤による指荒れ防止策=指サックをつけることです。
事務のプロならあたりまえのアイテムなのかもしれませんが。もっと早く使っていればと思うほど指荒れ・逆剥けがなくなりました。
―2019.8.18