私の作る布小物は、タロットを楽しむためのものがほとんどで、タロット用のクロスや、お揃いの収納用のポーチなどが多くなっています。
このような小物は、もともと、私が自分でタロットをするのに市販のものでちょうどいいクロスやポーチがなかったので自分用として作って使っていたものですが、タロットの会などでご覧になった方々から同じようなのが欲しいというご要望も多くなり、それにお応えしているうちに、ご注文が多いので商品化したものです。
当時、市販のタロットグッズは魔術っぽい見ためのサイズも大きめのものが多く、持ち歩きに便利な小さめのかわいいものがなかなかなかったんですよね。それに機能面でも、カードがシャッフルしやすいような裏が滑り止めになっているものも少なくて、100円ショップで売ってるような滑り止めのシートを裏に重ねて使えばなんとかなるものの、それじゃ気分も上がらず、特にお仕事で人前でタロット占いするときにすべり止めシートが見えるとせっかくのムードも台無しになる感じだったり…。
そんなわけで、見ためも素敵で機能面でも満足な仕上がりになるように、表地はタロットをシャッフルしやすいように滑りがよくシワになりにくいレーヨンやサテンなどの生地、裏はテーブルの上で動かないように起毛のネルやスウェード素材などの生地…といったように、性質の違う布をはぎ合せて作っているものが多いのですが、こういった仕様のクロスは仕上がりがとてもしなやかで使いやすいものの、縫う時には表布と裏布がズレてしまいやすいんですね。
そのため、一部の大きな作品(トートバックなど)をのぞいて、ほとんどのものは手縫いで仕上げています。
縫い目が表に出るものでも、縫い目は、ぱっと見はミシンで縫ったものと見分けがつかないように仕上げているのですが、この技法は「ホルベインステッチ(別名ダブルランニングステッチ)」という縫い方で、等間隔でなみ縫い(ランニングステッチ)を2度繰り返して縫うことで、見た目はミシン目と同じような直線的な縫い目に仕上がるというものです。
時間はかかるのですが、微調整しながら仕上げることができるため、違う素材の布を美しく縫い上げることができます。
このホルベインステッチの歴史はかなり古く、14世紀のスペインでは、カフスやカラーの縁取りに使われていたので、別名「スパニッシュ・ワーク」とも呼ばれています。16世紀にはイスラムからスペインを経てイギリスで「ブラックワーク」として盛んになった刺繍の技法で、黒糸一色で、ホルベインステッチを使って、表と裏に均一に糸が渡るように刺繍します。当時は流行していた植物と幾何学模様を組み合わせたものが多かったそうで、19世紀末から20世紀初めころに再流行して絵画のような表現をした作品が生まれていたとのことです。
手縫いのため、手描きの絵のような温かみや素朴な味わいの出る技法です。
このような手順で制作をしているために、ミシンを使った制作より時間がかかります。完成品はすぐにお届けできるのですが、ご注文をいただいてからの制作となった場合は、ひとつの作品を仕上げるのに数日お時間をいただいています。
発送にかかる日にちの目安は、それぞれの作品ページに書いてありますのでご参照ください。
制作の様子は、随時「Twitter」にアップしていますので、そちらもご覧いただきながら、楽しみにお待ちいただければうれしいです。
Twitter
https://twitter.com/mamanmiyuki
また、タロット柄の布のみの販売もしています。
購入された布は、商用利用も可能です。
取り扱いをしていただいているのは、
オリジナル生地・布の専門店
『REAL FABRIC(リアルファブリック)』さんです。
https://realfabric.jp/
商品名はそれぞれ、
「タロットクラシック-ブルー」
「タロットクラシック-パステルブルー-」
「タロットクラシックモチーフ-ブルー-」
「タロットクラシック-アイボリー-」
「 タロットクラシック・メジャーアルカナ-アイボリー-」
「タロットクラシックモチーフ-アイボリー-」
・・・となっています。
「デザインを探す」から、「タロット」「クラシック」などの検索ワードを入れても出てきます。
布の種類は綿やリネン、ポリエステルの中からお好きなものを選んで注文いただけるようになっていますので、オリジナルのタロットグッズはもちろん、普段使いの小物などにも使っていただけると、ますますタロットを使うのも楽しくなるかな~と思います♡