漆とは何なのか、ご存じでしょうか?
・漆の器や、漆仕上げのお弁当箱は見たことあるけど、漆ってなに?
・漆ってなにがいいの?
など、疑問に思っているかたも多いのではないでしょうか。
漆について、とっても簡単にですが解説してみましたので、ご覧いただければ幸いです。
少しでもご理解いただければ、漆仕上げの作品もまた違った価値観に感じられるかと思います。(^^)
【漆とは?】
漆とは、ウルシという樹木から採取される樹液のことを指します。
漆かき専門の職人さんの手によって樹木から採取されます。
採取の方法は、まず漆の木の幹をカンナと呼ばれる刃物で傷をつけます。しばらくすると傷から漆が流れ出てきます。木が傷を修復しようとして樹液=漆を流します。その漆をヘラですくって集めます。採取できる漆の量は1本の木から牛乳瓶1本分ほどと言われ、大変貴重なものであることが分かります。
採取された樹液は精製され、漆という塗料となります。
〇基本の漆「生漆(きうるし)」
採取された樹液を発酵させてつくられるのが生漆(きうるし)と呼ばれる、基本となる漆です。
当店で日頃よく行っている手法「拭き漆」に使用するのがこの生漆です。
〇色のある漆
生漆を精製し、純粋な漆塗料としての「透漆(すきうるし)」が作られます。
さらにそれに朱色、白色などの顔料を加えると色漆(いろうるし)ができます。
もっともポピュラーな黒色と朱色のお椀など、一度は見たことがある方も多いのではないかと思います。
【漆のすごいところ】
◎美しい光沢
漆は固まると、表面に肉眼では見えない凹凸をつくっています。これに光が当たることで乱反射を起こし、美しい光沢を放ちます。
◎優れた耐久性
漆は熱や湿気、さらに酸やアルカリ質にも強く、腐敗防止や防虫効果もあります。特に漆で塗り固められた木地はとても丈夫で長持ちするため、古代から利用されてきました。
◎強力な接着力
漆は塗料のほか、接着剤としても利用されます。小麦粉や膠などを混ぜることで強力な接着剤となります。
陶磁器の修理の際に行われる「金継ぎ」にも漆の接着剤が用いられます。
【拭き漆とは?】
生漆を塗っては拭き上げ、また塗っては拭き上げを複数回繰り返し行う「拭き漆(ふきうるし)」という手法で仕上げています。
木地を拭き漆で仕上げると、漆特有のブラウンカラーに
生漆を摺り込むように行うことから「摺り漆(すりうるし)」とも呼ばれます。
▽拭き漆の魅力▽
・拭き漆の魅力は、木目が活かされた美しい仕上がり。
木目が隠れてしまわないため、木の自然な雰囲気を残しつつ、仕上がった木地の美しさは漆ならでは。上品なつやがあり、しっとりとした手触りも楽しめます。
・水気や汚れをしっかり防ぐため、どんな食材、料理を詰めても安心です
・洗う際はいつもの食器用洗剤でok!洗い上がりもすっきりなるので、気持ちよく洗えます。洗い終わったら布巾で水気を拭いて、自然乾燥させればokです
☆まとめ☆
漆は自然塗料でありながらも超優秀な塗料です。
つやのある美しい仕上がりだけでなく、水気や汚れから木地を守ってくれます。
むずかしいお手入れもまったく無く、気軽に使えるのが◎です。
いつものお弁当がもっと上品になって、職場の人との話題にもできそうですね。
漆のお弁当箱の魅力がもっと伝えられたら嬉しいです。