ウレタン塗装とは?メリット・デメリットは

みなさんはウレタン塗装という塗装方法をご存じでしょうか? もしかしたら聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。 ウレタン塗装とは、木製の家具や小物全般に広く用いられる塗装方法です。 「ウレタン」は一般的に「ポリウレタン樹脂」の通称として使われており、塗料業界ではウレタンといえばポリウレタン樹脂(プラスチック樹脂素材の一つ)のことを指します。材の表面にポリウレタン樹脂を吹き付けて覆うことにより、表面を保護します。 ◎メリット 木の素材はそのままの状態だと傷ついたり汚れたりすることが多々あります。そのため表面を保護するという目的と木目を美しく見せるという目的でウレタン塗装を施します。「木の表面にプラスチックの性能をプラスする」と考えると分かりやすいでしょうか。 ・塗装後は光沢感のある表面になるため、無塗装の状態よりも美しい仕上がりになります。 ・ウレタン塗装は表面を硬い塗膜で覆うため、汚れや傷、水気に強くなります。食べ物の油分や水気にさらされるお弁当箱や器にも安心です。 ・基本的にメンテナンスの必要はありません。 △デメリット ・表面を硬い塗膜で覆ってしまうため、木が本来持っている調湿効果はなくなってしまいます。 ・使用していただくにつれて傷がついたり、傷から塗装がはがれることがあります。メンテナンスで再塗装は可能ですが、お客様側での補修は難しいため、プロにお願いいただくことになります。 【コーティング剤のにおいについて】 ウレタン塗装後は、コーティング剤のにおいが残ります。においは自然と抜けていきますが、このにおいが苦手に感じるかたもいらっしゃいます。 以前ご購入いただいたお客様から、「なぜこんなものがみんな高評価しているのか理解できません」と取引評価いただいたこともあります。が、そう思われるほど強烈なにおいでは全くありません。 当店でコーティング後、少なくとも数日は置いてから、お客様へお届けしています。特にお弁当箱の場合、ふたをしているとにおいがこもりやすくなりますので、なるべくふたを取った状態で置いておくようお願いしております。 においに敏感な方やケミカル系素材が苦手な方にはおすすめできませんので、その点はご了承いただければ幸いです。 ☆まとめ☆ このようにメリット・デメリットありますが、当店ではおすすめしている仕上げ方法です。 ウレタン塗装を行うことで木製品が美しくなり、また美しさをキープしてくれます。 さらに樹種の持つ色味は幅広く、淡い色から濃いブラウン色まで様々です。それぞれの樹種の本来の色味に仕上がるため、木のカラーが好きなかたにはより楽しんでいただけます。 お客様の価値観や生活環境に合わせてご検討いただければ幸いです。
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木工クラフト・クリエイター

木工と漆塗り工房 木の蔵 仙遊
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