型染で半襟を作り始めたのは、2012年ころだったと思います。
最初に作ったのは、オーガニックコットンの生地を半襟サイズに裁断して、
ワンポイントに動物の柄を摺り染したものでした。
オーガニックコットンが流行り始めていた頃で、私も下着などをオーガニックコットンにしていました。
このオーガニックコットン半襟がなかなかに好評でした。
今はこの生地が生産終了になってしまったことと、生地を裁断して半襟を作る作業に手が回らなくなり、
ポリエステルの白い半襟に摺り染をした半襟を制作しています。
ワンポイント半襟を作ったのは、ふとした思い付きでした。
着物を着た時に、襟元にこんな絵があったら楽しいかもしれない、と思ったのです。
前にくる襟のほんの少し見える部分にだけちょっとした絵がついている。
着物を楽しむ時に、こんなものがあっても良いのじゃないかな、と思いました。
今では同じようにワンポイントの柄を入れた半襟が巷で増えましたが、
当時は私だけだったのではないかな・・・?特許を取っておけばよかったですね(笑)
ワンポイントの柄が、トカゲやらヘビやらコウモリやらと、
従来の着物の優美な世界とはずいぶんとかけ離れたものが多めなのですが
それは私がこういう小動物が好きなのが一番の理由です。
身近にいる虫や動物がとても好きで、子どもの時からちょっかいをかけていました。
今でもカマキリやカエルを見かけるとつい、手が出そうになります。
着物の半襟に爬虫類とか・・・あり?・・とは、あまり思いませんでした。
自分が作りたいものを作ってみよう、それだけでした。
作ってminneにアップしてみたところ、不思議に好評でした。
購入して頂いた方が仰るのは、「こういう柄は他のところにはないから」との事。
なるほど、大きな会社で作る場合は、やっぱり売れる事が一番大事ですから、
女性に嫌われそうなイキモノの柄などは避けるのが当然でしょう。
ひとつの柄を大量に作らなければ採算が合わないのですし、
冒険はしないのが当たり前です。
手仕事で作るものは、そこがメリットです。
とかげを一枚だけ作る、という事が出来るのですから。
ネットでツバメ堂の半襟を見つけて、気に入って頂けて、
これを使いたい、と思ってご注文頂いた方のために柄を摺る事が出来る。
それは私にとってとても楽しい時間なのです。
今は半襟の制作は、基本的に受注制作のスタイルをとっています。
販売ページには見本の画像を載せています。
ご注文を頂いてから制作しますので、柄の色や場所などカスタマイズが可能です。
これも一点ずつ手で制作する事の強みでしょうか。
柄のリクエストを頂いて制作することもございます。
飼っておられる犬の柄を半襟にしたいとご要望を頂いて、狆の半襟を作ったりいたしました。
リクエストもお待ち申し上げております。