アンティークサフィレットのムーンフェイスのペンダントトップ。
濃いめの色合いのサフィレットで、深いブラウンとブルーがよく出る良い色調。
淡色系のムーンフェイスも多いですが、ブルーも淡い水色ではない濃い青がよく出ています。
横顔の向きで光に透かした時は深い青の濃色です。
このタイプのサフィレットは箔がないと色が淡いブルーに抜けますが、箔はお直ししたため、正面から見るとブルーがかなり反射します。
より淡い水色に見える箇所が、少しだけ残っているオリジナルの箔がある部分で、このようにサフィレットは箔を新しく張り直すと反射するブルーがしっかり出て濃くなる場合があります。
後述の通り、完全なつや消しではない変わったサフィレットなので、つるっとしたカボションカットのような雰囲気で、ブルーもキラキラのうるつやサフィレットです。
マット仕上げはブルーもぼやっとした感じになりがちですが、水面のような瑞々しさのある美しいムーンフェイスです。
アンティークサフィレットのカボションはほとんどがマット仕上げで、ボクソールガラスの名が示すようにフォイルバックです。
製造方法が解明されてもサフィレットは謎の多いガラスですが、名称自体も一昔前はボクソールガラスと呼ばれていました。
出て来るのがイギリスメイン(ボクソールガラスはイギリス発祥のミラーバックガラス)で、カボションに限らずファセットカットも多くがフォイルバックだったことがその由来だと思いますが、イギリスやチェコ以外(チェコではなかった時代もあり、時代ごとに指す国も変わって来ます)のアンティークサフィレットは剥がれたような雰囲気もないままにストレートなブルーを強調したフォイルのないものが多い印象です。
台座の金属の色合いもイギリスやチェコは金色、他は銀色が多いように思います。
前者のファセットカットのアンティークサフィレットの製品を現在見ると、くすんだ真鍮製の古美色に、箔が劣化したり剥がれたりして台座の色を反映したグリーンを含んだサフィレットや濃色のサフィレットが載っていますが、台座を磨いてフォイルを変えるとかなり印象は変わり、後者のようなキラキラ感さえ出たりします。
真鍮はピンチベックのようなゴールドの輝きを取り戻し、サフィレットは濃色でもサフィリーンのようなみずみずしさが見られ、全体的にかなり軽やかで華やかな印象になります。
出品中のイギリスの濃色のサフィレットのペンダントトップがそのような感じで、台座から取り出したルースは覚めるような濃いめのブルーです。
そちらは水濡れやグリーンの汚れ(緑青と言うよりカビじゃないかと思われるものもあります)も見られず、かなりフォイルの状態は良いです。
ただ、そのサフィレットはモーニングジュエリーに合う色味ではないように感じられましたが。
明るく軽やかな色彩のサフィリーンカラー(鉱物名のサフィリーンは、ドイツ製ガラスとして輸出されたガラスの色名としてヴィンテージのパッケージに書かれています)の新しいサフィレットが、世紀末から新しい時代のコスチュームジュエリーへの移り変わりで誕生したものと捉えていましたが、必ずしもそういう背景でもなさそうです。
このムーンフェイスも、枠を新調し、フォイルも新しくしたことで、製造当時のような新鮮な雰囲気を感じられるレアなムーンフェイスです。
また、若干の蛍光性があって白っぽく淡く蛍光し、暗闇で光る本物の月のように見えます。
サフィレットガラスは、全体的な周囲やパーツ周りの欠損等の傷気は少なく、眉間と眉に当たり痕があるくらいで、状態も良く、型取りのモールドから出したばかりのつるっとしたようなフレッシュな感じも出ている珍しいタイプです(※①)。
恐らく元の金具(キャビアスプーンの作り替えと思われる、以前出品していた時にセットされていたオリジナルの金具は手元で破損してしまいました)から外されることがなかったものと思われ、金具にセットするための製造時のバリ(型から外した時の周りのギザギザ)がかなり残っており、ムーンフェイスの輪郭にも傷欠けはありません。
元々はフォイルシートが貼り付いており、バックフォイルもほぼ完全な状態で残存していたのですが、現在はシートが除去されて箔もほぼ欠落しています。
箔は代替品でリペアしましたが、箔裏面には擦れ傷があり、ガラスに対して若干平行ではありません。
縁はレジンで接着が掛かっていますので、通常使用ではガラスが台座から動くことはありません。
台座はハンドメイドの新品。
オリジナルのセッティングとは異なり、しっかりした作りでガラスを包み込み、守ってくれています。
これでフチ周りが欠けてくることはありません。
②へ続く
アンティークサフィレットのムーンフェイスのペンダントトップ。
濃いめの色合いのサフィレットで、深いブラウンとブルーがよく出る良い色調。
淡色系のムーンフェイスも多いですが、ブルーも淡い水色ではない濃い青がよく出ています。
横顔の向きで光に透かした時は深い青の濃色です。
このタイプのサフィレットは箔がないと色が淡いブルーに抜けますが、箔はお直ししたため、正面から見るとブルーがかなり反射します。
より淡い水色に見える箇所が、少しだけ残っているオリジナルの箔がある部分で、このようにサフィレットは箔を新しく張り直すと反射するブルーがしっかり出て濃くなる場合があります。
後述の通り、完全なつや消しではない変わったサフィレットなので、つるっとしたカボションカットのような雰囲気で、ブルーもキラキラのうるつやサフィレットです。
マット仕上げはブルーもぼやっとした感じになりがちですが、水面のような瑞々しさのある美しいムーンフェイスです。
アンティークサフィレットのカボションはほとんどがマット仕上げで、ボクソールガラスの名が示すようにフォイルバックです。
製造方法が解明されてもサフィレットは謎の多いガラスですが、名称自体も一昔前はボクソールガラスと呼ばれていました。
出て来るのがイギリスメイン(ボクソールガラスはイギリス発祥のミラーバックガラス)で、カボションに限らずファセットカットも多くがフォイルバックだったことがその由来だと思いますが、イギリスやチェコ以外(チェコではなかった時代もあり、時代ごとに指す国も変わって来ます)のアンティークサフィレットは剥がれたような雰囲気もないままにストレートなブルーを強調したフォイルのないものが多い印象です。
台座の金属の色合いもイギリスやチェコは金色、他は銀色が多いように思います。
前者のファセットカットのアンティークサフィレットの製品を現在見ると、くすんだ真鍮製の古美色に、箔が劣化したり剥がれたりして台座の色を反映したグリーンを含んだサフィレットや濃色のサフィレットが載っていますが、台座を磨いてフォイルを変えるとかなり印象は変わり、後者のようなキラキラ感さえ出たりします。
真鍮はピンチベックのようなゴールドの輝きを取り戻し、サフィレットは濃色でもサフィリーンのようなみずみずしさが見られ、全体的にかなり軽やかで華やかな印象になります。
出品中のイギリスの濃色のサフィレットのペンダントトップがそのような感じで、台座から取り出したルースは覚めるような濃いめのブルーです。
そちらは水濡れやグリーンの汚れ(緑青と言うよりカビじゃないかと思われるものもあります)も見られず、かなりフォイルの状態は良いです。
ただ、そのサフィレットはモーニングジュエリーに合う色味ではないように感じられましたが。
明るく軽やかな色彩のサフィリーンカラー(鉱物名のサフィリーンは、ドイツ製ガラスとして輸出されたガラスの色名としてヴィンテージのパッケージに書かれています)の新しいサフィレットが、世紀末から新しい時代のコスチュームジュエリーへの移り変わりで誕生したものと捉えていましたが、必ずしもそういう背景でもなさそうです。
このムーンフェイスも、枠を新調し、フォイルも新しくしたことで、製造当時のような新鮮な雰囲気を感じられるレアなムーンフェイスです。
また、若干の蛍光性があって白っぽく淡く蛍光し、暗闇で光る本物の月のように見えます。
サフィレットガラスは、全体的な周囲やパーツ周りの欠損等の傷気は少なく、眉間と眉に当たり痕があるくらいで、状態も良く、型取りのモールドから出したばかりのつるっとしたようなフレッシュな感じも出ている珍しいタイプです(※①)。
恐らく元の金具(キャビアスプーンの作り替えと思われる、以前出品していた時にセットされていたオリジナルの金具は手元で破損してしまいました)から外されることがなかったものと思われ、金具にセットするための製造時のバリ(型から外した時の周りのギザギザ)がかなり残っており、ムーンフェイスの輪郭にも傷欠けはありません。
元々はフォイルシートが貼り付いており、バックフォイルもほぼ完全な状態で残存していたのですが、現在はシートが除去されて箔もほぼ欠落しています。
箔は代替品でリペアしましたが、箔裏面には擦れ傷があり、ガラスに対して若干平行ではありません。
縁はレジンで接着が掛かっていますので、通常使用ではガラスが台座から動くことはありません。
台座はハンドメイドの新品。
オリジナルのセッティングとは異なり、しっかりした作りでガラスを包み込み、守ってくれています。
これでフチ周りが欠けてくることはありません。
②へ続く