【戦時中の「贅沢禁止令」に生まれた白磁器】

【戦時中の「贅沢禁止令」に生まれた白磁器】 昭和15年7月7日、「奢侈品等製造販売制限規則」（通称：七・七禁令）が施行され、日本中から色・柄・装飾が姿を消しました。 「贅沢は敵だ」「欲しがりません勝つまでは」── そんな言葉が庶民の日常に根を下ろし、美術・芸術も検閲の対象となった時代。 軍服、もんぺ、白い盃。 戦地に赴く兵士が手にしたのは、装飾のない磁器の器でした。 この白い器も、そんな背景を持って生まれたものです。 【この器との出会い】 10年以上前、当方に大量入荷した白い磁器の器。 製造地は伊万里や九谷と推測されますが、絵付けもない、無地の器たちです。 私自身、「古美術」とは100年以上の歴史を持ち、財産価値のあるものと考えておりますため、この器は長年保管しておりました。 しかし、時代は流れ、「アンティーク＝50年以上前の品」という定義が広まり、また海外からも「戦時中の日本の品を所蔵したい」という声が届くようになりました。 ただ、当方はそれらを海外にはお譲りせず、国内で大切に伝えていくことを選びました。 【明るさを添えて、「今」を生きる器へ】 戦争の象徴であるこの器に、少しでも「明るさ」を。 そう考え、当方で和紙と蝋を用いたキャンドルとして仕立てました。 白いロウに、桜の形にカットした越前和紙を浮かべ灯すとふんわりと桜が浮かび上がります。 暗い時代を照らす、ささやかな光となれば幸いです。 【使い終わったあとは】 キャンドルとして使用後、残った蝋を少し温めてティッシュで拭き取ってください。 器はそのまま小皿やお香立てとして再利用できます。 別売りの「とんぼ玉」を組み合わせると、お香立てとしてもご使用いただけます。 【商品について】 戦時中（昭和初期）製造の白磁器 数量限定 キャンドル仕立て済み（ロウ・和紙入り） 火気使用時は十分ご注意ください 【最後に】 この器は、美しいわけではありません。 けれど、この時代を「生きた証」として、何かを語り継ぐ力があります。 贅沢を禁じられた時代に生まれた、飾らない器たち。 静かに灯して、そして、そっと使い継いでいただけたら嬉しく思います。