往年のアメリカンブランド、グリュエン。
元祖《CURVEX》のお目見えです。
《カーヴェックス》とは本来、
グリュエンが1930年代に発表した、
弓なりに屈曲してやさしく腕に寄り添う、
独特のシェイプを与えられた時計群を指しました。
“CURVEX”はグリュエンの商標であり、
「固有名詞」だったのです。
グリュエンは1960年代以降、
資本が入れ替わったり、倒産状態に陥ったりと、
激動の時代を歩むわけですが、
そんなどさくさの続くなか、
1991年、フランク•ミュラーが自作に
《CURVEX》の名称を用いてしまいます。
それをきっかけに、“CURVEX”が
「ボディのカーブした細長い時計」を意味する
「一般名詞」として浸透しだします。
この流れに他社も便乗。
ちまたには多種多様な「カーベックス」が出回ることに。
経営主体の定まらぬグリュエンには、
もはやそれに抗う術もありませんでした。
グリュエンはウォルサム、ハミルトン、
エルジン、ブローバなどとならび、
米国を代表する時計メーカーのひとつでした。
それら米国ブランドは奇しくも1970年代までに、
いずれも内需に頼る販売戦略が仇となり、
倒産に至ったり、スイス資本に身売りしたりと、
米本国から姿を消す運命を辿ります。
本品は《カーヴェックス》人気で絶頂期を迎えていた
グリュエンが、1950年代に製作した作品です。
富士山のような頂を擁する、
分厚い工藝硝子が鎮座しています。
この手づくりのカット硝子ひとつをとっても、
現代のアメリカでは……いいえ、
世界中のどの国でも、あつらえることは困難でしょう。
かけがえのない小さな「文化遺産」といえます。
あまりにも硝子が立派で分厚すぎて、
正面から目をこらしても、
フェイスの全容を正確にとらえることができません。
時間を知る道具をつくっておいて、
わざわざ視認性を奪う意匠を凝らすところがアメリカン。
もう、さすがです。
後先考えない破天荒な気質が愛おしくなります。
時計本体(ボディ)の仕上げは10金張り。
かつての金張り(Gold Filled)とは、
薄くのべた金をほぼ手作業で貼りめぐらす技法。
電解処理で金を付着させる現代の金メッキ
(Gold Plated)とは抜本的に異なります。
容易く褪色することはありません。
ほとんど使用感の感じられない良品ですが、
ガラスやフェイス、そして10金張りのボディにも、
相応の経年劣化やダメージが見られます。
スイス時計や日本製であれば評価を落とすダメージも、
細かいことは気にしない米国気質が
モノにもヒトにも宿るのか、
むしろ古き良きアメリカ文化がしのばれ、
ポジティブな印象さえ与えてくれます。
ダメージが魅力的に映るのは、
車にもジーンズにも時計にも共通する
アメリカ一流の魔法なのかもしれません。
フランク•ミュラーを揶揄するのに、
愚かしいパロディや贋作など持ちだす必要はありません。
元祖《CURVEX》と共にあるだけで、
世の便乗組も烏合の衆もまとめて料理して、
心静かに過ごすことができます。
1950年代 米国製
手巻きムーヴメント
文字盤サイズ:縦 約12mm×横 約10mm
本体:縦 約26mm (ラグを含む)
横 約15mm(リューズを含む)
重さ:約16g(ブレスレットを含む)
腕まわり:約170mm強
材質:10金張り
ブレスレット:金メッキ(日本製/新品)
注油・精度調整済み
日差:±30秒前後(平置)
外箱・取説等の付属品はありません
•———•———•———•———•
弊店が販売前に実施しているメインテナンスについては、
下記リンク先をご参照ください。
https://minne.com/@solent/letters/83465
•———•———•———•———•
※数十年前に製造された骨董品(アンティーク)です。
新品のようにまっさらで無傷な品ではありません。
性能も現代の製品には劣ります。
返品・返金は受けつけておりませんので、
「購入の際の注意点」を熟読のうえ、慎重にご検討くださいませ。
往年のアメリカンブランド、グリュエン。
元祖《CURVEX》のお目見えです。
《カーヴェックス》とは本来、
グリュエンが1930年代に発表した、
弓なりに屈曲してやさしく腕に寄り添う、
独特のシェイプを与えられた時計群を指しました。
“CURVEX”はグリュエンの商標であり、
「固有名詞」だったのです。
グリュエンは1960年代以降、
資本が入れ替わったり、倒産状態に陥ったりと、
激動の時代を歩むわけですが、
そんなどさくさの続くなか、
1991年、フランク•ミュラーが自作に
《CURVEX》の名称を用いてしまいます。
それをきっかけに、“CURVEX”が
「ボディのカーブした細長い時計」を意味する
「一般名詞」として浸透しだします。
この流れに他社も便乗。
ちまたには多種多様な「カーベックス」が出回ることに。
経営主体の定まらぬグリュエンには、
もはやそれに抗う術もありませんでした。
グリュエンはウォルサム、ハミルトン、
エルジン、ブローバなどとならび、
米国を代表する時計メーカーのひとつでした。
それら米国ブランドは奇しくも1970年代までに、
いずれも内需に頼る販売戦略が仇となり、
倒産に至ったり、スイス資本に身売りしたりと、
米本国から姿を消す運命を辿ります。
本品は《カーヴェックス》人気で絶頂期を迎えていた
グリュエンが、1950年代に製作した作品です。
富士山のような頂を擁する、
分厚い工藝硝子が鎮座しています。
この手づくりのカット硝子ひとつをとっても、
現代のアメリカでは……いいえ、
世界中のどの国でも、あつらえることは困難でしょう。
かけがえのない小さな「文化遺産」といえます。
あまりにも硝子が立派で分厚すぎて、
正面から目をこらしても、
フェイスの全容を正確にとらえることができません。
時間を知る道具をつくっておいて、
わざわざ視認性を奪う意匠を凝らすところがアメリカン。
もう、さすがです。
後先考えない破天荒な気質が愛おしくなります。
時計本体(ボディ)の仕上げは10金張り。
かつての金張り(Gold Filled)とは、
薄くのべた金をほぼ手作業で貼りめぐらす技法。
電解処理で金を付着させる現代の金メッキ
(Gold Plated)とは抜本的に異なります。
容易く褪色することはありません。
ほとんど使用感の感じられない良品ですが、
ガラスやフェイス、そして10金張りのボディにも、
相応の経年劣化やダメージが見られます。
スイス時計や日本製であれば評価を落とすダメージも、
細かいことは気にしない米国気質が
モノにもヒトにも宿るのか、
むしろ古き良きアメリカ文化がしのばれ、
ポジティブな印象さえ与えてくれます。
ダメージが魅力的に映るのは、
車にもジーンズにも時計にも共通する
アメリカ一流の魔法なのかもしれません。
フランク•ミュラーを揶揄するのに、
愚かしいパロディや贋作など持ちだす必要はありません。
元祖《CURVEX》と共にあるだけで、
世の便乗組も烏合の衆もまとめて料理して、
心静かに過ごすことができます。
1950年代 米国製
手巻きムーヴメント
文字盤サイズ:縦 約12mm×横 約10mm
本体:縦 約26mm (ラグを含む)
横 約15mm(リューズを含む)
重さ:約16g(ブレスレットを含む)
腕まわり:約170mm強
材質:10金張り
ブレスレット:金メッキ(日本製/新品)
注油・精度調整済み
日差:±30秒前後(平置)
外箱・取説等の付属品はありません
•———•———•———•———•
弊店が販売前に実施しているメインテナンスについては、
下記リンク先をご参照ください。
https://minne.com/@solent/letters/83465
•———•———•———•———•
※数十年前に製造された骨董品(アンティーク)です。
新品のようにまっさらで無傷な品ではありません。
性能も現代の製品には劣ります。
返品・返金は受けつけておりませんので、
「購入の際の注意点」を熟読のうえ、慎重にご検討くださいませ。
サイズ
本文に記載
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3日
配送方法・送料
宅配便
0円(追加送料:0円)
全国一律
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購入の際の注意点
【ヴィンテージをおすすめする理由】
懐中時計の時代から小型化や複雑化など、
めざましい発展を遂げてきた機械時計*。
クオーツ時計**の登場(1969年)により、
その様相は一変します。
(* **機械時計とクオーツ時計の違いについては後述)
それまでは職人が時間と労力を費やすことで、
はじめて実現しえた「精度」。
それがテクノロジーの力で、
いとも簡単に実現してしまう時代が到来したためです。
手づくりの精密機械から、大量生産の電化製品へーー。
それは時計の定義や概念さえも覆る大転換期でした。
ここ数年は高級品を中心に機械時計への回帰が見られますが、
メカの設計自体がだいぶ簡素化したため、
復活や復権とは言えない面があります。
かつて手作業が担っていたプロセスを、
プログラミングされた工作機が代替する場面も多く、
その違いはほぼ「別もの」といえるほど。
強度と使い勝手はやや増したものの、
手工芸品としての価値は下がってしまいました。
中世の昔から積みあげた知恵と匠みの結晶、機械時計。
またその「王位」を継承するために、
あらゆる技術を投入して開発された初期クオーツ時計。
わたくしどもがお勧めしたいのは、
そんなふたつのタイプの時計たちです。
【時計のきほん】
時計には大きく分けて、
・機械時計
・クオーツ時計
の2種類があります。
機械時計とは電源(電池)を用いない、
ぜんまい仕掛けの精密機械のことです。
クオーツ時計は水晶の電圧効果で駆動する電子機器です。
ほかにも音叉時計•電磁時計•電波時計などがあります。
【機械時計の使いかた】
機械時計は手動でぜんまいを巻く「手巻き時計」と、
内部に備わるローター(振り子)がぜんまいを巻き上げる、
「自動巻き時計」とに分かれます。
手巻きは指先でリューズを回してぜんまいを巻きあげてください。
自動巻きは人の手首の動きを利用して動力を蓄える仕組みですが、
それだけでは1日に必要なパワーを得られないので、
はじめは手巻き時計のように手で巻いて始動させます。
自動巻きとは「腕につけていれば止まらない」機能であり、
長時間放置すれば自然と停止します。
故障ではありません。
手巻き•自動巻きいずれにも共通して、
「使わない日もぜんまいを巻くべきか?」
というご質問をよくいただきます。
「どちらでもよい」が弊店の回答です。
使わない日は必ずしも巻く必要はありません。
毎日巻いて動かすほうが
機械の調子を維持しやすいとの説も耳にしますが、
たとえそうだとしても部品の消耗を考えれば五十歩百歩です。
再起動させるたびに時刻やカレンダーを合わせるのは、
たしかに少々面倒ではありますが、
「OFFの日」も無意味ではないというのが弊店の意見です。
【留意点】
機械時計は磁気に弱いという特徴があります。
テレビ・ラジオ・携帯端末・PCなど、
強い放電をともなう機器のそばに長時間放置すると、
内部が帯磁して精度が損なわれます。
磁気を帯びた時計は専門店のサービスを受ければ容易に回復しますが、
なるべく上記のような機器から離れた場所で保管することをお勧めします。
また現代の時計にくらべて防水機能は劣ります。
たとえ防水を謳う時計であっても、
経年劣化によりガラスや金属•ゴムパッキンなどの「水際」を守る部品に、
わずかな隙間が生じているかもしれません。
装着したままの遊泳や入浴は厳禁です。
極端な悪天候や本格的な洗顔のさいも念のため外すなど、
日常的に一定の配慮が必要です。
【お手入れ】
機械時計は正常に動いていても、
2〜3年に1度は専門店でオーバーホールを受けるのが理想です。
定期的に内外の汚れを落とし、メカの潤滑油を保つことで、
故障を未然に防ぎ、寿命を長持ちさせる効果があります。
クオーツ時計は2年程度のサイクルで電池交換が必要になります。
クオーツのオーバーホールは5年ごとがおおよその目安です。
【古物(ヴィンテージ)•骨董(アンティーク)のあつかいについて】
どんなによい品であっても経年変化をまぬかれることはありません。
どんなに美しい人も加齢をまぬかれないのと同様です。
内外に「傷み」は生じるもの……。
お渡し前に可能なかぎりメインテナンスを施してはおりますが、
現代の新品と同様のクオリティを期待されるお客さまに、
おそらく古物(ヴィンテージ)は向きません。
また現代とはちがい、
往時は製造者(売り手)がとり扱いや使用法について、
ユーザー側に一定の「理解」や「工夫」、
あるいは「自己責任」を求めていた時代です。
上記の磁気や湿気への気配りをはじめとして、
使用者が丁寧にとり扱うことを前提に製造された精密機器といえます。
とくに時計はかつて贅沢品であり、
代々引き継がれる「家宝」として流通していたため、
大切に扱うのが普通でした。
またそのようにつくられています。
時計がスポーツや冒険のツールとして用いられる時代以前の産物です。
用途そのものが違うとお考えいただくとよいかもしれません。
【アフターセールス】
販売前にオーバーホール(完全分解清掃)を施した一部商品を除き、
故障時の保証は付帯しておりません。
また近ごろ横行するすり替えや、
部品窃取といったトラブルを回避する意味からも、
ご購入後の返品•返金のご要望は承れません。
ご購入者さまには弊店の連絡先をお知らせしております。
故障やお困りごと、使用方法のご質問等につきましては、
どうぞお気軽にお寄せくださいませ。
対処法•解決策を見つけるお手伝いをさせていただきます。