目覚めると針山に変わっていた

目覚めると針山に変わっていた。 ひねもす寝ている吾輩としては大した問題ではない。 気にしないでおこうと思ったが、何やら口周りがスースーして落ち着かないうえ、さっきからクシャミが止まらなくて頂けない。いくら吾輩が苦沙弥先生の飼い猫だからって、そうクシャミをするものでもあるまいに。 なるほど、自慢のヒゲが一本もないではないか。そりゃ落ち着かないわけだ。そうこうしているうちに、先生の細君が裁縫を始め出した。今の吾輩は針山ゆえ、細君は何の疑問も持たず、吾輩に次々と針を刺していく。いい感じだ。口周りに針が林立し、ヒゲのようである。 ここで終われば問題ないのであるが、細君は吾輩の額や目の周りにまで、針を刺していく。止めろ。フェルトだから痛みは感じないが、傍目に非常に残酷である。吾輩に何か恨みでもあるのか。ふと向こうの障子に目をやると、昨日吾輩が面白半分に猫パンチで開けた穴で、中々に無惨なものである。食卓に上がってたお刺身も美味かったニャ〜。何でここだけニャ〜がつく。そういうことか。全て吾輩が悪いわけか。天が吾輩に罰を与え、針山に変えてしまったのか。令和の時代なら、猫が何をやっても人間は許すものであるが、時は明治、人間と猫の間には明確な主従関係がある。 刺す針や　令和は遠く　先にあり と一句詠む吾輩は猫である。 「ゴローあんたまたしくじったね。いったいいつになったら魔法を覚えるんだい」 「すみません。魔女さま」 ここまでお読み頂き誠にありがとうございます^_^ 以下、作品詳細です。 ①悪い猫及びベース部分はアクレーヌ（アクリルフェルト）で作りました。一部羊毛フェルトも使用しております。 ②使用頻度、使用状況等によりフェルトに毛羽立ちが生じる場合がございます。毛羽立ちもフェルトの味わいですが、気になる場合は小さなクラフト鋏でカットして下さい。 ③針は付属しておりません。 ④製作にあたり接着剤を使用しております。接着剤臭を感じることがあるかもしれない旨、ご了承下さい。 ⑤動物愛護の観点に鑑み、❌印写真のような使用はお控え下さい^_^ レターも是非ご覧下さい‼️ (ᵔᴥᵔ)作品に関して質問等ございましたら、気兼ねなくお尋ね下さい。作品に関係ない質問も大歓迎です‼️( 'Θ' )