アール・デコ期のエルジン。
往年のアメリカが育んだ一流の工藝品です。
エルジンはハミルトン、ウォルサム、
ブローバ、グリュエンなどとならび、
米国を代表する時計メーカーでした。
それら米国ブランドは奇しくも
1970年代までに、いずれも
内需に頼る販売戦略が仇となり、
倒産や身売りといった顛末を迎えます。
たいへん失礼ながら、ものづくりを
遠ざけてしまった現代の米国人像からは、
まったく想像もできないくらい、
繊細で、見事な出来ばえの精密時計です。
典型的なアールデコ スタイル。
塔のような建造物を想わせるフォルム。
太陽のモティーフ。
産業革命期の〝自虐ネタ〟ともいえる、
「工作機(ロボット)の真似」から生まれた
直線的で優美な造形が、心を鷲づかみにします。
12金張り、というめずらしい仕様も、
様ざまなトライ・アンド・エラーが
繰りひろげられた腕時計の黎明期ならでは
(後年の米国市場では14金がスタンダード化)。
金張り(Gold Filled)とは、
電解処理で金の粒子を付着させる
現代の金メッキ(Gold Plated)とは異なり、
薄くのべた金を貼りめぐらせてゆく、
手の込んだ工藝手法です。
金の層が格段に厚く、
容易く褪色することがありません。
外観の造型からは想像しにくい、
角型の上等なムーヴメントを内蔵します。
面白いことに、この時代、
本家スイスの時計メーカーの多くが角型
ムーヴメントの開発に苦労していました。
日本やアメリカのメーカーでは、
すでに角型の機械を多用していました。
懐中時計の晩年から時計産業に参入した
後発組であった日米のほうが、
それだけ先入観にとらわれることなく、
無心に腕時計の開発に臨めた、
というところでしょうか。
文字盤(フェイス)は褪色や染みが目立ちます。
とくに5時から6時にまたがるエリアの
ペイントロスは、少し気になるかもしれません。
ただ、こうした戦前の時計ともなると、
ダメージが「味」に昇華して、
むしろ魅力的に映るのもよくあるお話……。
「アンティーク然とした」お品をお好みの
かたには、最高の雰囲気だと思います。
また本品がアメリカ製なのも、
幸いしている気がします。
スイス製や国産時計であれば、
ともすると評価を落とすポイントも、
細かいことは気にしない米国気質が
モノにもヒトにも宿るのか、
かえってポジティブな「加点」にさえなりえます。
古き良き時代のアメリカ文化がしのばれ、
ダメージさえ魅力的に感じられるのは、
車やジーンズなど他のMADE IN USAにも
共通する、一種の魔法なのかもしれません。
製造年代も付合する、エルジンの
オリジナルボックスが付属します。
1934-35年代 米国製
手巻きムーヴメント
文字盤サイズ:縦 約13mm×横 約10mm
本体:縦 約29mm (ラグを含む)
横 約16mm(リューズを含む)
重さ:約10.2g(革紐•留め具を含む)
腕まわり:〜約210mm
材質:12金張り(革紐留め具も)
ベルト:牛革(新品/日本製)
分解整備済み
日差:±30秒前後(平置)
外箱付属(傷みあり)
•———•———•———•———•
弊店が販売前に実施しているメインテナンスについては、
下記リンク先をご参照ください。
https://minne.com/@solent/letters/83465
•———•———•———•———•
※数十年前に製造された骨董品(アンティーク)です。
新品のようにまっさらで無傷な品ではありません。
性能も現代の製品には劣ります。
返品・返金は受けつけておりませんので、
「購入の際の注意点」を熟読のうえ、慎重にご検討くださいませ。
アール・デコ期のエルジン。
往年のアメリカが育んだ一流の工藝品です。
エルジンはハミルトン、ウォルサム、
ブローバ、グリュエンなどとならび、
米国を代表する時計メーカーでした。
それら米国ブランドは奇しくも
1970年代までに、いずれも
内需に頼る販売戦略が仇となり、
倒産や身売りといった顛末を迎えます。
たいへん失礼ながら、ものづくりを
遠ざけてしまった現代の米国人像からは、
まったく想像もできないくらい、
繊細で、見事な出来ばえの精密時計です。
典型的なアールデコ スタイル。
塔のような建造物を想わせるフォルム。
太陽のモティーフ。
産業革命期の〝自虐ネタ〟ともいえる、
「工作機(ロボット)の真似」から生まれた
直線的で優美な造形が、心を鷲づかみにします。
12金張り、というめずらしい仕様も、
様ざまなトライ・アンド・エラーが
繰りひろげられた腕時計の黎明期ならでは
(後年の米国市場では14金がスタンダード化)。
金張り(Gold Filled)とは、
電解処理で金の粒子を付着させる
現代の金メッキ(Gold Plated)とは異なり、
薄くのべた金を貼りめぐらせてゆく、
手の込んだ工藝手法です。
金の層が格段に厚く、
容易く褪色することがありません。
外観の造型からは想像しにくい、
角型の上等なムーヴメントを内蔵します。
面白いことに、この時代、
本家スイスの時計メーカーの多くが角型
ムーヴメントの開発に苦労していました。
日本やアメリカのメーカーでは、
すでに角型の機械を多用していました。
懐中時計の晩年から時計産業に参入した
後発組であった日米のほうが、
それだけ先入観にとらわれることなく、
無心に腕時計の開発に臨めた、
というところでしょうか。
文字盤(フェイス)は褪色や染みが目立ちます。
とくに5時から6時にまたがるエリアの
ペイントロスは、少し気になるかもしれません。
ただ、こうした戦前の時計ともなると、
ダメージが「味」に昇華して、
むしろ魅力的に映るのもよくあるお話……。
「アンティーク然とした」お品をお好みの
かたには、最高の雰囲気だと思います。
また本品がアメリカ製なのも、
幸いしている気がします。
スイス製や国産時計であれば、
ともすると評価を落とすポイントも、
細かいことは気にしない米国気質が
モノにもヒトにも宿るのか、
かえってポジティブな「加点」にさえなりえます。
古き良き時代のアメリカ文化がしのばれ、
ダメージさえ魅力的に感じられるのは、
車やジーンズなど他のMADE IN USAにも
共通する、一種の魔法なのかもしれません。
製造年代も付合する、エルジンの
オリジナルボックスが付属します。
1934-35年代 米国製
手巻きムーヴメント
文字盤サイズ:縦 約13mm×横 約10mm
本体:縦 約29mm (ラグを含む)
横 約16mm(リューズを含む)
重さ:約10.2g(革紐•留め具を含む)
腕まわり:〜約210mm
材質:12金張り(革紐留め具も)
ベルト:牛革(新品/日本製)
分解整備済み
日差:±30秒前後(平置)
外箱付属(傷みあり)
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弊店が販売前に実施しているメインテナンスについては、
下記リンク先をご参照ください。
https://minne.com/@solent/letters/83465
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※数十年前に製造された骨董品(アンティーク)です。
新品のようにまっさらで無傷な品ではありません。
性能も現代の製品には劣ります。
返品・返金は受けつけておりませんので、
「購入の際の注意点」を熟読のうえ、慎重にご検討くださいませ。
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宅配便
0円(追加送料:0円)
全国一律
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購入の際の注意点
【ヴィンテージをおすすめする理由】
懐中時計の時代から小型化や複雑化など、
めざましい発展を遂げてきた機械時計*。
クオーツ時計**の登場(1969年)により、
その様相は一変します。
(* **機械時計とクオーツ時計の違いについては後述)
それまでは職人が時間と労力を費やすことで、
はじめて実現しえた「精度」。
それがテクノロジーの力で、
いとも簡単に実現してしまう時代が到来したためです。
手づくりの精密機械から、大量生産の電化製品へーー。
それは時計の定義や概念さえも覆る大転換期でした。
ここ数年は高級品を中心に機械時計への回帰が見られますが、
メカの設計自体がだいぶ簡素化したため、
復活や復権とは言えない面があります。
かつて手作業が担っていたプロセスを、
プログラミングされた工作機が代替する場面も多く、
その違いはほぼ「別もの」といえるほど。
強度と使い勝手はやや増したものの、
手工芸品としての価値は下がってしまいました。
中世の昔から積みあげた知恵と匠みの結晶、機械時計。
またその「王位」を継承するために、
あらゆる技術を投入して開発された初期クオーツ時計。
わたくしどもがお勧めしたいのは、
そんなふたつのタイプの時計たちです。
【時計のきほん】
時計には大きく分けて、
・機械時計
・クオーツ時計
の2種類があります。
機械時計とは電源(電池)を用いない、
ぜんまい仕掛けの精密機械のことです。
クオーツ時計は水晶の電圧効果で駆動する電子機器です。
ほかにも音叉時計•電磁時計•電波時計などがあります。
【機械時計の使いかた】
機械時計は手動でぜんまいを巻く「手巻き時計」と、
内部に備わるローター(振り子)がぜんまいを巻き上げる、
「自動巻き時計」とに分かれます。
手巻きは指先でリューズを回してぜんまいを巻きあげてください。
自動巻きは人の手首の動きを利用して動力を蓄える仕組みですが、
それだけでは1日に必要なパワーを得られないので、
はじめは手巻き時計のように手で巻いて始動させます。
自動巻きとは「腕につけていれば止まらない」機能であり、
長時間放置すれば自然と停止します。
故障ではありません。
手巻き•自動巻きいずれにも共通して、
「使わない日もぜんまいを巻くべきか?」
というご質問をよくいただきます。
「どちらでもよい」が弊店の回答です。
使わない日は必ずしも巻く必要はありません。
毎日巻いて動かすほうが
機械の調子を維持しやすいとの説も耳にしますが、
たとえそうだとしても部品の消耗を考えれば五十歩百歩です。
再起動させるたびに時刻やカレンダーを合わせるのは、
たしかに少々面倒ではありますが、
「OFFの日」も無意味ではないというのが弊店の意見です。
【留意点】
機械時計は磁気に弱いという特徴があります。
テレビ・ラジオ・携帯端末・PCなど、
強い放電をともなう機器のそばに長時間放置すると、
内部が帯磁して精度が損なわれます。
磁気を帯びた時計は専門店のサービスを受ければ容易に回復しますが、
なるべく上記のような機器から離れた場所で保管することをお勧めします。
また現代の時計にくらべて防水機能は劣ります。
たとえ防水を謳う時計であっても、
経年劣化によりガラスや金属•ゴムパッキンなどの「水際」を守る部品に、
わずかな隙間が生じているかもしれません。
装着したままの遊泳や入浴は厳禁です。
極端な悪天候や本格的な洗顔のさいも念のため外すなど、
日常的に一定の配慮が必要です。
【お手入れ】
機械時計は正常に動いていても、
2〜3年に1度は専門店でオーバーホールを受けるのが理想です。
定期的に内外の汚れを落とし、メカの潤滑油を保つことで、
故障を未然に防ぎ、寿命を長持ちさせる効果があります。
クオーツ時計は2年程度のサイクルで電池交換が必要になります。
クオーツのオーバーホールは5年ごとがおおよその目安です。
【古物(ヴィンテージ)•骨董(アンティーク)のあつかいについて】
どんなによい品であっても経年変化をまぬかれることはありません。
どんなに美しい人も加齢をまぬかれないのと同様です。
内外に「傷み」は生じるもの……。
お渡し前に可能なかぎりメインテナンスを施してはおりますが、
現代の新品と同様のクオリティを期待されるお客さまに、
おそらく古物(ヴィンテージ)は向きません。
また現代とはちがい、
往時は製造者(売り手)がとり扱いや使用法について、
ユーザー側に一定の「理解」や「工夫」、
あるいは「自己責任」を求めていた時代です。
上記の磁気や湿気への気配りをはじめとして、
使用者が丁寧にとり扱うことを前提に製造された精密機器といえます。
とくに時計はかつて贅沢品であり、
代々引き継がれる「家宝」として流通していたため、
大切に扱うのが普通でした。
またそのようにつくられています。
時計がスポーツや冒険のツールとして用いられる時代以前の産物です。
用途そのものが違うとお考えいただくとよいかもしれません。
【アフターセールス】
販売前にオーバーホール(完全分解清掃)を施した一部商品を除き、
故障時の保証は付帯しておりません。
また近ごろ横行するすり替えや、
部品窃取といったトラブルを回避する意味からも、
ご購入後の返品•返金のご要望は承れません。
ご購入者さまには弊店の連絡先をお知らせしております。
故障やお困りごと、使用方法のご質問等につきましては、
どうぞお気軽にお寄せくださいませ。
対処法•解決策を見つけるお手伝いをさせていただきます。