原文
人の田を論ずる者、訴えに負けて、
ねたさに、「その田を刈りて取れ」とて、
人を遣はしけるに、まづ、道すがらの田を
さへ刈りもて行くを、「これは論じ給ふ所
にあらず。いかにかくは」と言ひければ、
刈る者ども、「その所とても、刈るべき
理(ことわり)なけれども、僻事(ひが
こと)せむとてまかる者なれば、いづくをか
刈らざらむ」とぞ言ひける。
理、いとをかしかりけり。
訳
他人の田に自分の所有権を主張する男が
訴訟を起こし裁判に負けてしまった。
悔しさのあまり、使用人に、「その田の稲を
刈って来い」と命じた。
使用人たちは、手始めに道の途中の稲までも
ばさばさ刈り取って行く。
これを見た人が、「ここは訴訟した田では
ないのに、どうしてこんなことをするのか」
と聞くと
使用人たちは、「訴訟した田だって敗訴の
決定が下った以上、刈り取ってよいという
理由はない。どうせ理屈に合わないことを
しようと出かけて来たんだから、どこの
田を刈り取っても同じことさ」と平然と
うそぶいた。
この屁理屈、なんともおかしかった。
『人の田を論ずる者』を画仙紙のハガキに
書きました。
ポストカードにされたり、リビングに
飾って一家団欒を♪
原文
人の田を論ずる者、訴えに負けて、
ねたさに、「その田を刈りて取れ」とて、
人を遣はしけるに、まづ、道すがらの田を
さへ刈りもて行くを、「これは論じ給ふ所
にあらず。いかにかくは」と言ひければ、
刈る者ども、「その所とても、刈るべき
理(ことわり)なけれども、僻事(ひが
こと)せむとてまかる者なれば、いづくをか
刈らざらむ」とぞ言ひける。
理、いとをかしかりけり。
訳
他人の田に自分の所有権を主張する男が
訴訟を起こし裁判に負けてしまった。
悔しさのあまり、使用人に、「その田の稲を
刈って来い」と命じた。
使用人たちは、手始めに道の途中の稲までも
ばさばさ刈り取って行く。
これを見た人が、「ここは訴訟した田では
ないのに、どうしてこんなことをするのか」
と聞くと
使用人たちは、「訴訟した田だって敗訴の
決定が下った以上、刈り取ってよいという
理由はない。どうせ理屈に合わないことを
しようと出かけて来たんだから、どこの
田を刈り取っても同じことさ」と平然と
うそぶいた。
この屁理屈、なんともおかしかった。
『人の田を論ずる者』を画仙紙のハガキに
書きました。
ポストカードにされたり、リビングに
飾って一家団欒を♪