たまにハンドメイドページで目にする「既製品の完成度」「既製品の強度」などの言葉にいつも疑問を抱いていました。
私は、三年制服飾専門学校を卒業後、新卒で入社した後はアパレルデザイナーとして就職し、「既製服」を作っていました。
小さな会社だったので企画だけでなく検品・発送なども必然的に担ってきました。
私が携わっていたのは「服」ですが、市場調査では「アクセサリー」というジャンルでも差はないように思っていたのでレターの題材にします。
私は、既製品とハンドメイド品だったらハンドメイドの方が商品としての質が高いことを前提として製作販売したい、と思っています。
なぜか?それは一人の人がデザイン・サンプル制作・修正・本生産・検品・発送を行っていて、大量生産で出るB品などが出にくいこと、見落としが少ないこと、最後まで一人の人の目と手がかかっていること(デザイン・手法・色などの相違がない)が大きいと思います。
ハンドメイドは大量生産はできない、だから既製品との差別化が必要…
その中の一つが私にとっては作品の強度だったりします。もちろん自分で「完成度が低いなぁ」と思った作品を販売することはしないので、自分が表したかったものが出来上がるまで販売はしません。
以上の事から、洋服~布小物~アクセサリーと作ってきましたが、一度も既製品と比べる発言はしてきませんでした。
謙遜は日本人の美学的なこともあるのかもしれませんが、物を作るって楽しいだけじゃない。ましてそれを販売するのはいろいろ気を配らないとできないこともあります。
趣味好みは別として、自分で作ったものを既製品に負けているとは思いたくない。そういったものは販売できない。
誤解してほしくないのは、どっちがいいとか劣っているとか言いたいわけではありません。
優れている既製品が売れるのは当たり前(安心感)だし、使っているツール(規模の違い)や関わっているブレーン(いろいろな人のアイディアが集まる)も個人ハンドメイド作家とは桁が違います。
その点で既製品の方が優れている、とするのならばそういう考え方もある、と納得しています。
しかし私はそうではないものを生み出して作って販売して購入までたどり着きたい。
だから既製品との差別化を考えてものを作ります。
ハンドメイド品は既製品ではできないところにこだわりを持って制作することができます。これは大きな強み。
それが突き詰めるとブランドイメージになるのかなとも思います。
日々そんなことを考えながら物を作っては頭を抱えています。
私の手元にまだ日の目を見ていないサンプルがあります。
必ず完成させて販売登録し、誰かのもとに届けたい。そういうものが一つでも多く世に出るようにこれからも責任をもってものづくりに取り組んでいきたいと思っています。
いいなと思ったら何かしらリアクションしていただけると励みになります。
TwitterもInstagramもフォローして下るとうれしいです。
ではまた次のレターで。