生地と出会ったとき、直感でこれだ!と思うものを買っています。
迷いがある生地は仕入れないことは、私のこだわりの一つです。
お店に行き、手触りや、接着芯との相性、制作する過程で生地を重ねて縫製する場合、針が通るかどうかを考えたり。
ファスナーを開けた時や、手にした瞬間、どんな感情が沸くかな。
気持ちが上がるものがいいな…
物語や光景が浮かんでくるものがいいな…
色合いやデザインを見たときに、お客様それぞれのお手持ちの物たちに加えて頂けたらいいな…
この生地を裁断した時に、型紙で切り取ったときに、デザインを上手く活かせられるように裁断できる生地かな…
いろんな想いを持ちながら選んだ生地を形にするとき、とても心がワクワクします。
早く形にしたい!と思い、朝から晩まで12時間位作り続けることもあります。
こんな風にこだわりを持ちながら作るのは、メーカーで働いていた時に感じていた、ある想いがあります。
いろんな工程を経で形にした物を、自分のこだわりを詰め込んだ物を、自分の手から旅立たせたい、との思いです。
もちろん、一人で全部するのは大変なときもありますが、何百個、今まで2000個以上作っても飽きないのは、生地一つ一つに思い出があり、作るのが楽しいからです。
そんな生地たちも、次に仕入れようとしたときには廃番になっていることも多々あります。
県外のお店にも問い合わせたり、県内の店舗あちこちに行ったり、メーカーの人に問い合わせたり。
けれど、どうしても在庫がない場合は、落ちこむこともあります。
だけど、手持ちの残りの生地たちを最後まで活かせられるように…と、気持ちを切り替えたり。
生地と出会わなければ、形にできなかった作品たち。
同じ生地でも、まったく同じように裁断する物ができない生地など、
ものづくりを通して、一期一会の有り難みを感じる日々です。