ちっちゃいゆかた屋のオリジナル絵柄の浴衣は
1着ずつ絵付けして作っています。
今回はステンシルによる絵付けの作業について
ご紹介したいと思います。
ステンシルは
型のシートを布の上から置いて
絵柄の形に型を切り抜いた部分に
絵の具をつけていくやり方です。
同じ絵柄の浴衣を複数枚作るにあたり
絵柄の再現性が高いです。
■1.ステンシルの型作り
絵柄のアイディアが決まったら
浴衣の形に貼り合わせた紙にイメージ画を描き
柄の配置や色合いを検討します。
次に
色の重ね合わせや他色どうしの密集具合に応じて
型を何枚に振り分けるか考えます。
楽しくイメージ画を描いた後、
ここで後の型作りやステンシルの作業工数と直面して
うっ、とひるんだりもします。
ステンシル型は耐久性やコストの面から
クリアファイルを加工して作っています。
イメージ画の紙を展開し
絵柄をクリアファイルに写し取り、
カッターで絵柄を切り抜きます。
カッター使いの技量が問われます (>_<)
■2.絵の具の色の調整
効率よく使うために
絵の具は多色を揃えずに数色に絞っていて、
混色して色を作っています。
次段階のステンシル作業の間に
絵皿の絵の具が乾燥し使いにくくなっていくので、
色は少量ずつしか作りません。
クリアファイルで作った型は繰り返し使えるので
同じ絵柄の浴衣を量産できる仕組みではありますが
1回の絵の具調整で作れる浴衣の枚数は
限られてしまいます。
■3.ステンシル作業
ステンシル型の切り抜き部分に
メイクを施すかのごとくちょこちょこちょこと
色を重ねていきます。
実際に使っている道具も
アイシャドウブラシやメイクスポンジです。
■4.アイロンの熱で絵の具を定着させる
絵の具が自然乾燥した後に
アイロンの熱で布にしっかり定着させます。
浴衣1着あたり3分ほどかけて
じっっっくり熱を与えます。
以上、まあまあの手間がかかることを
ご想像いただけますでしょうか・・・
これらの作業をやる中でちょいちょい
壁にぶつかったりやり直したりもします。
例えば浴衣「海の中」では、
イメージ画を実際に浴衣にしてみたらイマイチだったり、
不慣れな絵の具の混色で苦戦したり、
色の濃淡が帯色との相性を左右したりで、
試作を何度か繰り返しました。
✽ 浴衣「海の中」
https://minne.com/items/24763351
このような手間や壁がありながらも
オリジナルの絵柄で浴衣を作るのは、
こんな浴衣あったらいいかもというアイディアに始まり、
欲しい絵柄を欲しいポイントに欲しい大きさで
落とし込んでいける自由さが
そこにあるからだと思います。
この快感、楽しさ、
味わいたい方がきっと私の他にもいらっしゃるのでは!
と思って
「デコれる無地浴衣」を作りました。
もしよろしければご利用ください♪
✽ デコれる無地浴衣
https://minne.com/items/24661153
https://minne.com/items/24690225
ちなみにこういった作業をやるにあたり
私の何がベースになっているのか考えてみたところ、
・子供の頃から
ものを作れる人になりたいと思っていた
・雑誌の組立付録を作るのが大好きで
(りぼんとか、小学○年生とか、ありましたよね)
これを設計できる人ってすごいと思っていた
・メーカーの開発部門に勤務した経験から
企画、研究開発から製品化、量産までの流れや
その途中課題がイメージでき、
今自分がやっていること・直面していることを
それに当てはめて客観視できる
ということのような気がします。
このようにして生み出している作品が
ここを訪れてくださった方の心に
弾むようなウキウキ感を
お届けできるようでありたいと思います。
お読みくださりありがとうございます☆