TÜRLER(テューラー)はBAYER(バイヤー)にならび、
スイス•チューリッヒ最大の時計舗です。
同店が1960年代にあつらえた、
ハイセンスなオリジナルウォッチです。
テューラーのオリジナルウォッチには、
同店の名が既製品の文字盤(フェイス)に印刷されただけの、
いわゆる「ダブルネーム」と呼ばれるラインと、
TÜRLER銘のみが冠された、
完全な「プライベートブランド」による時計群とに大別されます。
本品は後者に属します。
ときにはIWCやモバードのような一流メーカーが、
文字盤(フェイス)に名を掲げることなく、
TÜRLERのオリジナル時計を製作しました。
それだけテューラーの力が絶大だったということでしょうか。
本品の中身は「エボーシュ」と呼ばれる汎用ムーヴメント。
多くのブランドに〝元ネタ〟(メカ)を提供して
急成長を遂げつつあった機械専業メーカー、
ETA社の製品です。
トラブルが少なくメンテのしやすい、シンプルな構造。
その優れたコスパ……。
当時の時計界で引っ張りだこの人気を博すETA社でしたが、
この地味な下請け会社が、
のちに白馬の騎士(ホワイトナイト)となって
スイス時計産業全体の危機を救うことになろうとは、
このときは誰も想像していなかったでしょう。
さて、お話をいったん本品に戻します。
デザイン自体はTÜRLERが担当したのか、
ETAが担当したのかは定かではありませんが、
シンプルでありながら手のこんだ意匠が美しい、
小さな小さなフェイスが特徴です。
「10等身美人」みたいなバランスの、
とてもスマートな手巻き時計です。
フェイスはもとからシャンパンカラーだったところへ、
経年変化も加わり、唯一無二の
美しいエイジングを宿して見る者を魅了します。
フェイスやボディには、
それなりの使用感とダメージが見受けられるものの、
小さなサイズと輝度の高いつくりが幸いして、
それほど目立つことはない気がします。
(とはいえ気になりそうなかたは
ご購入をお控えいただくほうが無難です。)
本品に典型的なメカの供給により、急成長を遂げたETA社。
その後、日本発のクオーツブームを逆手にとり、
廉価でお洒落な時計を大量生産……。
世界中で爆発的な人気を博します。
ETA社が立ち上げたその新ブランドの名は、
《SWATCH》(スウォッチ)。
スウォッチでさらなる財を成したETA社は、
クオーツショック*で瀕死の状態にあった
高級ブランドを次つぎに買収。
オメガ、ロンジン、ティソ、サーチナ、ラドー……。
ETAの大立ち回りで再編されたスイス時計産業。
スイスブランドたちの、その後の再生と復活の物語は、
みなさまもよくご存知のとおりです。
内に秘める壮大なドラマ……。
ハッピーな嵐の到来を予感させる、
ただならぬ美人さんです。
*クオーツショック) 日本製クオーツ腕時計の発明と世界的な普及による甚大な影響のこと。スイス時計産業は壊滅的な打撃を受けました。
1960年代 スイス製
手巻ムーヴメント
文字盤直径:約15mm
本体:縦 約24mm (ラグを含む)
横 約19mm(リューズを含む)
重さ:約9g(革ベルト・尾錠を含む)
腕まわり:〜約165mm強
本体(ケース):クロムメッキ
裏蓋:ステンレススティール
ベルト:牛革(黒/日本製)
分解整備済み
日差:±30秒前後(平置)
外箱・取説等の付属品はありません
•———•———•———•———•
弊店が販売前に実施しているメインテナンスについては、
下記リンク先をご参照ください。
https://minne.com/@solent/letters/83465
•———•———•———•———•
※数十年前に製造された骨董品(アンティーク)です。
本品も含め新品同様のまっさらで無傷な品ではありません。
性能も現代の製品には劣ります。
返品・返金は受けつけておりませんので、
「購入の際の注意点」を熟読のうえ、
慎重にご検討くださいませ。
TÜRLER(テューラー)はBAYER(バイヤー)にならび、
スイス•チューリッヒ最大の時計舗です。
同店が1960年代にあつらえた、
ハイセンスなオリジナルウォッチです。
テューラーのオリジナルウォッチには、
同店の名が既製品の文字盤(フェイス)に印刷されただけの、
いわゆる「ダブルネーム」と呼ばれるラインと、
TÜRLER銘のみが冠された、
完全な「プライベートブランド」による時計群とに大別されます。
本品は後者に属します。
ときにはIWCやモバードのような一流メーカーが、
文字盤(フェイス)に名を掲げることなく、
TÜRLERのオリジナル時計を製作しました。
それだけテューラーの力が絶大だったということでしょうか。
本品の中身は「エボーシュ」と呼ばれる汎用ムーヴメント。
多くのブランドに〝元ネタ〟(メカ)を提供して
急成長を遂げつつあった機械専業メーカー、
ETA社の製品です。
トラブルが少なくメンテのしやすい、シンプルな構造。
その優れたコスパ……。
当時の時計界で引っ張りだこの人気を博すETA社でしたが、
この地味な下請け会社が、
のちに白馬の騎士(ホワイトナイト)となって
スイス時計産業全体の危機を救うことになろうとは、
このときは誰も想像していなかったでしょう。
さて、お話をいったん本品に戻します。
デザイン自体はTÜRLERが担当したのか、
ETAが担当したのかは定かではありませんが、
シンプルでありながら手のこんだ意匠が美しい、
小さな小さなフェイスが特徴です。
「10等身美人」みたいなバランスの、
とてもスマートな手巻き時計です。
フェイスはもとからシャンパンカラーだったところへ、
経年変化も加わり、唯一無二の
美しいエイジングを宿して見る者を魅了します。
フェイスやボディには、
それなりの使用感とダメージが見受けられるものの、
小さなサイズと輝度の高いつくりが幸いして、
それほど目立つことはない気がします。
(とはいえ気になりそうなかたは
ご購入をお控えいただくほうが無難です。)
本品に典型的なメカの供給により、急成長を遂げたETA社。
その後、日本発のクオーツブームを逆手にとり、
廉価でお洒落な時計を大量生産……。
世界中で爆発的な人気を博します。
ETA社が立ち上げたその新ブランドの名は、
《SWATCH》(スウォッチ)。
スウォッチでさらなる財を成したETA社は、
クオーツショック*で瀕死の状態にあった
高級ブランドを次つぎに買収。
オメガ、ロンジン、ティソ、サーチナ、ラドー……。
ETAの大立ち回りで再編されたスイス時計産業。
スイスブランドたちの、その後の再生と復活の物語は、
みなさまもよくご存知のとおりです。
内に秘める壮大なドラマ……。
ハッピーな嵐の到来を予感させる、
ただならぬ美人さんです。
*クオーツショック) 日本製クオーツ腕時計の発明と世界的な普及による甚大な影響のこと。スイス時計産業は壊滅的な打撃を受けました。
1960年代 スイス製
手巻ムーヴメント
文字盤直径:約15mm
本体:縦 約24mm (ラグを含む)
横 約19mm(リューズを含む)
重さ:約9g(革ベルト・尾錠を含む)
腕まわり:〜約165mm強
本体(ケース):クロムメッキ
裏蓋:ステンレススティール
ベルト:牛革(黒/日本製)
分解整備済み
日差:±30秒前後(平置)
外箱・取説等の付属品はありません
•———•———•———•———•
弊店が販売前に実施しているメインテナンスについては、
下記リンク先をご参照ください。
https://minne.com/@solent/letters/83465
•———•———•———•———•
※数十年前に製造された骨董品(アンティーク)です。
本品も含め新品同様のまっさらで無傷な品ではありません。
性能も現代の製品には劣ります。
返品・返金は受けつけておりませんので、
「購入の際の注意点」を熟読のうえ、
慎重にご検討くださいませ。
サイズ
本文に記載
発送までの目安
3日
配送方法・送料
宅配便
0円(追加送料:0円)
全国一律
全国一律
購入の際の注意点
【ヴィンテージをおすすめする理由】
懐中時計の時代から小型化や複雑化など、
めざましい発展を遂げてきた機械時計*。
クオーツ時計**の登場(1969年)により、
その様相は一変します。
(* **機械時計とクオーツ時計の違いについては後述)
それまで職人が時間と労力を費やすことで、
はじめて実現しえた「精度」。
それがテクノロジーの力で、
いとも簡単に実現してしまう時代が到来したためです。
手づくりの精密機械から、大量生産の電化製品へーー。
時計の定義や概念さえも覆る大転換期でした。
ここ数年は高級品を中心に
機械時計への回帰が見られますが、
メカの設計自体がだいぶ簡素化したため、
復活や復権とは言えない面があります。
かつて手作業が担っていたプロセスを、
プログラミングされた工作機が
細かな作業を代替する場面も多く、
その違いはほぼ「別もの」といえるほど。
強度と使い勝手はやや増したものの、
手工芸品としての価値は下がってしまいました。
中世の昔から積みあげた知恵と匠みの結晶、
機械時計(ぜんまい時計)。
またその「王位」を継承するために、
あらゆる技術を投入して開発された
初期の高級クオーツ時計。
わたくしどもがお勧めしたいのは、
そんなふたつのタイプの時計たちです。
【時計のきほん】
時計には大きく分けて、
・機械時計
・クオーツ時計
の2種類があります。
機械時計とは電源(電池)を用いない、
ぜんまい仕掛けの精密機械のことです。
クオーツ時計は水晶の電圧効果で駆動する、
電子機器といえます。
ほかにも音叉時計•電磁時計•電波時計などがあります。
【機械時計の使いかた】
機械時計は手動でぜんまいを巻く「手巻き時計」、
内部に備わるローター(振り子)がぜんまいを
巻き上げる「自動巻き時計」とに分かれます。
手巻きは指先でリューズを回して、
ぜんまいを巻きあげてください。
自動巻きは人の手首の動きを利用して
動力を蓄える仕組みですが、
それだけでは1日に必要なパワーを得られません。
はじめは手巻き時計のように手で巻いて
始動させる必要があります。
自動巻きとは「腕につけていれば止まらない」
程度を意味し、放置すれば自然と停止します。
故障ではありません。
手巻き•自動巻きいずれにも共通して、
「使わない日もぜんまいを巻くべきか?」
というご質問をよくいただきます。
「どちらでもよい」が弊店の回答です。
使わない日は必ずしも巻く必要はありません。
毎日巻くほうが機械の調子を維持しやすい、
との説も耳にしますが、たとえそうだとしても
部品の消耗を考えれば五十歩百歩です。
再起動させるたびに時刻やカレンダーを合わせるのは、
たしかに少々面倒ではありますが、
「OFFの日」も無意味ではないーー。
それが弊店の意見です。
【留意点】
機械時計は磁気に弱い特徴があります。
テレビ・ラジオ・携帯端末・PCなど、
強い放電をともなう機器のそばに放置すると、
内部が帯磁して精度が損なわれます。
磁気を帯びた時計は専門店のサービスを受ければ
容易に回復しますが、なるべく上記のような機器からは
離れた場所で保管することをお勧めします。
また現代の時計にくらべて防水機能は劣ります。
たとえ防水を謳う時計であっても、
経年劣化によりガラスや金属•ゴムパッキンなど
「水際」を守る部品に隙間が生じているかもしれません。
装着したままの遊泳や入浴は厳禁です。
極端な悪天候や本格的な洗顔のさいも念のため外すなど、
日常的に一定の配慮が必要です。
【お手入れ】
機械時計は正常に動いていても、2〜3年に1度は
専門店でオーバーホールを受けるのが理想です。
定期的に内外の汚れを落とし、
メカの潤滑油を保つことで、
故障を未然に防ぎ、
寿命を長持ちさせる効果があります。
クオーツ時計は2年程度のサイクルで
電池交換が必要になります。
オーバーホールについては機械時計ほど
神経質になる必要はありません。
故障がないかぎり、おおむね5~6年に一度、
分解清掃(OH)おこなえば充分です。
【古物(ヴィンテージ)•骨董(アンティーク)のあつかいについて】
どんなによい品であっても、
経年変化は避けられません。
どんなに美しい人も加齢を免れないのと同じです。
内外に「傷み」は生じるもの……。
弊店ではすべての商品に、
可能なかぎりのメインテナンスを施しておりますが、
現代の新品と同様のクオリティを期待されるお客さまに、
おそらく古物(ヴィンテージ)は向きません。
また現代とはちがい、
往時は製造者(売り手)がとり扱いや使用法について、
ユーザー側に一定の「理解」や「工夫」、
あるいは「自己責任」を求めていた時代です。
上記の磁気や湿気への気配りをはじめとして、
使用者が丁寧にとり扱うことを前提に
製造された精密機器といえます。
とくに時計はかつて贅沢品であり、
代々引き継がれる「家宝」でもあったため、
大切に扱うのが普通でした。
またそのようにつくられています。
時計がスポーツや冒険のツールとして
気軽に用いられるようになったのは、
ずっと後年のお話です。
用途そのものが違う、
とお考えいただくとよいかもしれません。
【アフターセールス】
故意や誤った使用法、
事故や天災による故障を除き、
事前発生的な不具合については、
お買い上げ日より10か月間の修理保証が付帯します。
ただし近ごろ横行するすり替えや、
部品窃取といったトラブルを回避する意味からも、
ご購入後の返品•返金のご要望は承れません。
ご購入者さまには弊店の連絡先をお知らせしております。
修理のご依頼、質問やお困りごとにつきましては、
都度、連絡窓口よりお報せくださいませ。
迅速に対応いたします。