桐（1）《源氏物語の草花》バレッタ

源氏物語の草花の中から、桐の花をモチーフにした加賀ゆびぬきのバレッタ(80ミリサイズ)を作りました。 光源氏の母、桐壺更衣の住む淑景舎は、内裏のなかにある局のひとつで、庭に桐が植えられていることから桐壺(つぼは庭の意味)とも呼ばれます。 藤と同じく淡い紫の花を咲かせますが、枝垂れ咲く藤に対して桐の花は空に向かって咲きます。 成長が早くまっすぐに伸びる桐は、添え木がなければ上に伸びることのできない点でも藤と対照的です。 現代の作品なら、登場人物の呼び名の持つイメージと本人のイメージを重ねたりもするのでしょうが、桐壺更衣と藤壺中宮のイメージはむしろ逆ですね。桐壺（淑景舎）の場所が帝の御座所からかなり離れていて権力の強いキサキが住まう場所にはふさわしくないという、実際の後宮の知識・イメージから更衣の呼び名は桐壺となったのでしょう。 空の青に映える紫の花をイメージした模様と色遣いです。 ほぼ同じ色遣いで桐（2）という作品もあります。 +++++++++++++++++++ 《源氏物語シリーズ》として、登場人物を中心に作品を作ってきました。 主要人物を、全員ではありませんが作ることができたので、次に作るものを考えながら、朝日新聞出版『平安大事典〜図解でわかる「源氏物語」の世界』(倉田実編)を読みまして、源氏物語に描かれた草花に心惹かれました。 源氏物語には110種を超える植物名が登場するそうなのですが、その中で主なものをこの大事典を参考に作っていこうと思います。シリーズ名は《源氏物語の草花》です。 +++++++++++++++++++ 加賀の工芸品、加賀ゆびぬきをアレンジしたものです。 加賀ゆびぬきはその名の通りお裁縫に使うゆびぬきとして作られてきたものです。 なので、普通は指輪くらいのサイズなのですが、るまんとではそれをアレンジゆびぬきとして大きくつくってアクセサリーに加工しています。 表面は布を貼ったように見えますが、ひと針ひと針、絹の手縫い糸でかがって模様を作ってる、刺繍の一種です。 模様面は絹糸のすべすべつやつやとした質感です。 絹なので高級感がありますが、ぜひ日常のカジュアルな場面に取り入れてください。おしゃれ度をワンランクアップさせてくれます。 模様面は絹糸でできているため、濡れ・汚れに弱くなっています。 濡れた時はこすらず水分を拭きとって乾かしてください。