1985年製、セイコー《ヌーヴォ》。
異色のクオーツ時計です。
わたくしどもがご紹介している時計は、
いずれも製造年代からして既に〝レトロ〟な
ヴィンテージウォッチばかりですが、
本品は当時においても懐古趣味をテーマに
産声をあげたモデルでした。
二重の意味で、「アンティークっぽい」
時計といえるでしょうか。
1980年代中期、いわゆるバブル景気が
始まりを迎えるころ、
「第1次レトロブーム」と呼ばれる、
ひとつの社会現象が広がりを見せます。
戦後の焼野原から働きつめて、
一気に高度経済成長を果たした日本。
ここらへんでひと休みして、
過去を振りかえって見ようーー
そんな機運が高まったのでしょうか。
当時にしても昭和の只中でしたが、
戦前戦中の生活様式や物品のデザインに、
あらためて注目が集まりだしたのでした。
セイコーもそんなトレンドに着目。
語感としてのアール・ヌーヴォー
(Art Nouveau;意味は“新しい芸術”)を
たぶんに意識したことがうかがえる
シリーズ名のもと、いずれも斬新でいて、
どこか懐かしい意匠をまとう、
数々の新作を発表しました。
本作はレディースながらボーイズサイズにも
近い、やや大ぶりな時計。
アール・ヌーヴォー様式っぽいのは、
複雑な造形のラグくらいで、
精悍なブラックフェイスは、むしろ
数十年後のトレンドである戦時下の
スタイルを再現しています。
黒光りするミラー仕上げや、
外周の細かい目盛りが、
レトロな雰囲気をもりたてます。
各国の時計メーカーに共有される
ひとつの不文律として、
夜光塗料を擁する文字盤(フェイス)には、
同様の塗料を用いた長短針(時針•分針)を
合わせなければならないーー
という暗黙の決まりがあります。
本品の針はブレゲ型と呼ばれる
古式床しい穴あきスタイルで、
夜光塗料は見あたりません。
それもそのはずーー。
フェイスの算用数字をよくよく見れば、
夜光塗料ではなく、その雰囲気を模した
白いペイントであつらえられたもの。
さすがは《ヌーヴォ》と名乗る時計。
そういうルール破りも含めて、
Nouveau(新しい)ということなのでしょう。
本品は美品ではあるものの、
一定の使用感が見られるユーズド品です。
とくにケース(ボディ)には微細な傷が
少なからず見受けられます。
また長針(分針)にわずかな錆が見えます。
外箱と取扱説明書が付属しますが、
当時は《Nouveau》専用の箱が存在したはずで、
残念ながら「あとづけ」の備品のようです
(製造年代は合致&取説はオリジナル)。
製造元はクオーツ腕時計の生みの親、
諏訪精工舎ーー。
世の中には「本場」という概念があります。
大根は練馬、演芸は浅草・上野、
落花生なら千葉、本マグロなら大間、
みたいな考えや物言いのことです。
それに倣えばクオーツ時計の「本場」は、
諏訪ということになるでしょうか。
いまはもう途絶えてしまった、
「本場」での時計づくり……。
諏訪精工舎のいちファンとして、
とても残念に思います。
同じクオーツ時計なら、
「元祖」にして「本家本元」ーー。
世界を制した、ほんものなどは、
いかがでしょう。
1985年 日本製
クオーツムーヴメント
文字盤直径:約21mm
本体:縦 約31mm(ラグを含む)
横 約27mm(リューズを含む)
重さ:約13.2g(革ベルト・尾錠を含む)
腕まわり:約135mm〜約170mm
*適合しない場合、穴あけを承ります。(前後5mm程度)また色や材質等、テイストは異なりますがロングサイズに代えることもできます。取り寄せには日数を要しますがお気軽にご用命ください。
材質:金メッキ
裏蓋:ステンレススティール
革ベルト:Bambi製(カーフ/黒/日本製)
OH・電池交換済み
外箱・取説付属(いずれも傷みあり)
•———•———•———•———•
弊店が販売前に実施しているメインテナンスについては、
下記リンク先をご参照ください。
https://minne.com/@solent/letters/83465
•———•———•———•———•
※数十年前に製造された骨董品(アンティーク)です。
本品も含め新品同様のまっさらで無傷な品ではありません。
性能も現代の製品には劣ります。
返品・返金は受けつけておりませんので、
「購入の際の注意点」を熟読のうえ、
慎重にご検討くださいませ。
1985年製、セイコー《ヌーヴォ》。
異色のクオーツ時計です。
わたくしどもがご紹介している時計は、
いずれも製造年代からして既に〝レトロ〟な
ヴィンテージウォッチばかりですが、
本品は当時においても懐古趣味をテーマに
産声をあげたモデルでした。
二重の意味で、「アンティークっぽい」
時計といえるでしょうか。
1980年代中期、いわゆるバブル景気が
始まりを迎えるころ、
「第1次レトロブーム」と呼ばれる、
ひとつの社会現象が広がりを見せます。
戦後の焼野原から働きつめて、
一気に高度経済成長を果たした日本。
ここらへんでひと休みして、
過去を振りかえって見ようーー
そんな機運が高まったのでしょうか。
当時にしても昭和の只中でしたが、
戦前戦中の生活様式や物品のデザインに、
あらためて注目が集まりだしたのでした。
セイコーもそんなトレンドに着目。
語感としてのアール・ヌーヴォー
(Art Nouveau;意味は“新しい芸術”)を
たぶんに意識したことがうかがえる
シリーズ名のもと、いずれも斬新でいて、
どこか懐かしい意匠をまとう、
数々の新作を発表しました。
本作はレディースながらボーイズサイズにも
近い、やや大ぶりな時計。
アール・ヌーヴォー様式っぽいのは、
複雑な造形のラグくらいで、
精悍なブラックフェイスは、むしろ
数十年後のトレンドである戦時下の
スタイルを再現しています。
黒光りするミラー仕上げや、
外周の細かい目盛りが、
レトロな雰囲気をもりたてます。
各国の時計メーカーに共有される
ひとつの不文律として、
夜光塗料を擁する文字盤(フェイス)には、
同様の塗料を用いた長短針(時針•分針)を
合わせなければならないーー
という暗黙の決まりがあります。
本品の針はブレゲ型と呼ばれる
古式床しい穴あきスタイルで、
夜光塗料は見あたりません。
それもそのはずーー。
フェイスの算用数字をよくよく見れば、
夜光塗料ではなく、その雰囲気を模した
白いペイントであつらえられたもの。
さすがは《ヌーヴォ》と名乗る時計。
そういうルール破りも含めて、
Nouveau(新しい)ということなのでしょう。
本品は美品ではあるものの、
一定の使用感が見られるユーズド品です。
とくにケース(ボディ)には微細な傷が
少なからず見受けられます。
また長針(分針)にわずかな錆が見えます。
外箱と取扱説明書が付属しますが、
当時は《Nouveau》専用の箱が存在したはずで、
残念ながら「あとづけ」の備品のようです
(製造年代は合致&取説はオリジナル)。
製造元はクオーツ腕時計の生みの親、
諏訪精工舎ーー。
世の中には「本場」という概念があります。
大根は練馬、演芸は浅草・上野、
落花生なら千葉、本マグロなら大間、
みたいな考えや物言いのことです。
それに倣えばクオーツ時計の「本場」は、
諏訪ということになるでしょうか。
いまはもう途絶えてしまった、
「本場」での時計づくり……。
諏訪精工舎のいちファンとして、
とても残念に思います。
同じクオーツ時計なら、
「元祖」にして「本家本元」ーー。
世界を制した、ほんものなどは、
いかがでしょう。
1985年 日本製
クオーツムーヴメント
文字盤直径:約21mm
本体:縦 約31mm(ラグを含む)
横 約27mm(リューズを含む)
重さ:約13.2g(革ベルト・尾錠を含む)
腕まわり:約135mm〜約170mm
*適合しない場合、穴あけを承ります。(前後5mm程度)また色や材質等、テイストは異なりますがロングサイズに代えることもできます。取り寄せには日数を要しますがお気軽にご用命ください。
材質:金メッキ
裏蓋:ステンレススティール
革ベルト:Bambi製(カーフ/黒/日本製)
OH・電池交換済み
外箱・取説付属(いずれも傷みあり)
•———•———•———•———•
弊店が販売前に実施しているメインテナンスについては、
下記リンク先をご参照ください。
https://minne.com/@solent/letters/83465
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※数十年前に製造された骨董品(アンティーク)です。
本品も含め新品同様のまっさらで無傷な品ではありません。
性能も現代の製品には劣ります。
返品・返金は受けつけておりませんので、
「購入の際の注意点」を熟読のうえ、
慎重にご検討くださいませ。
サイズ
本文に記載
発送までの目安
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宅配便
0円(追加送料:0円)
全国一律
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購入の際の注意点
【ヴィンテージをおすすめする理由】
懐中時計の時代から小型化や複雑化など、
めざましい発展を遂げてきた機械時計*。
クオーツ時計**の登場(1969年)により、
その様相は一変します。
(* **機械時計とクオーツ時計の違いについては後述)
それまで職人が時間と労力を費やすことで、
はじめて実現しえた「精度」。
それがテクノロジーの力で、
いとも簡単に実現してしまう時代が到来したためです。
手づくりの精密機械から、
大量生産の電化製品へーー。
時計の定義や概念さえも覆る大転換期でした。
ここ数年は高級品を中心に
機械時計への回帰が見られますが、
メカの設計自体がだいぶ簡素化したため、
復活や復権とは言えない面があります。
かつて手作業が担った細かなプロセスを、
あらかじめプログラミングされた工作機が
代替する場面も多く、その違いはほぼ
「別もの」といえるほどに。
強度と使い勝手はやや増したものの、
手工芸品としての価値は下がってしまいました。
中世の昔から積みあげた知恵と匠みの結晶、
機械時計(ぜんまい時計)。
またその「王位」を継承するために、
あらゆる技術を投入して開発された
初期の高級クオーツ時計。
わたくしどもがお勧めしたいのは、
そんなふたつのタイプの時計たちです。
【時計のきほん】
時計には大きく分けて、
・機械時計
・クオーツ時計
の2種類があります。
機械時計とは電源(電池)を用いない、
ぜんまい仕掛けの精密機械のことです。
クオーツ時計は水晶の電圧効果で駆動する、
電子機器といえます。
ほかにも音叉時計•電磁時計•電波時計などがあります。
【機械時計の使いかた】
機械時計は手でぜんまいを巻く「手巻き時計」、
内部に備わるローター(振り子)がぜんまいを
巻き上げる「自動巻き時計」とに分かれます。
手巻きは指先でリューズを回して、
ぜんまいを巻きあげてください。
毎日使うなら毎日巻く必要があります。
いっぱいに巻くと1日半~2日ほど駆動します。
自動巻きは人の手首の動きを利用して
動力を蓄える仕組みですが、それだけでは
1日に必要なパワーを得られません。
はじめは手巻き時計のように手で巻いて
始動させる必要があります。
自動巻きとは「腕につけていれば止まらない」
程度を意味し、放置すれば自然と停止します。
故障ではありません。
手巻き•自動巻きいずれにも共通して、
「使わない日もぜんまいを巻くべきか?」
というご質問をよくいただきます。
「どちらでもよい」が弊店の回答です。
使わない日は必ずしも巻く必要はありません。
毎日巻くほうが機械の調子を維持しやすい、
との説もありますが、たとえそうだとしても
部品の消耗を考えれば五十歩百歩です。
再起動のたびに時刻や日付を合わせるのは、
たしかに少々面倒ではありますが、
「OFFの日」も無意味ではないーー。
それが弊店の意見です。
【留意点】
機械時計は磁気に弱い特徴があります。
テレビ・ラジオ・携帯端末・PCなど、
強い放電を伴う機器のそばに放置すると、
内部が帯磁して精度が損なわれます。
磁気を帯びた時計は専門店のサービスで
容易に回復しますが、上記の機器からは
なるべく離れた場所で保管することをお勧めします。
また現代の時計に比べ防水機能は劣ります。
たとえ防水を謳う時計であっても、
ガラス•金属•パッキン等、水ぎわの部品に
劣化が生じているかもしれません。
装着したままの遊泳や入浴は厳禁です。
極端な悪天候や本格的な洗顔のさいも
念のために外すなど、日常的に一定の配慮が必要です。
【お手入れ】
機械時計は正常に動いていても2~3年に1度は
専門店でオーバーホールするのが理想です。
定期的に内外の汚れを落とし、
メカの潤滑油を保つことで、
故障を未然に防ぎ、
寿命を長持ちさせる効果があります。
クオーツ時計は2年程度のサイクルで
電池交換が必要になります。
オーバーホールについては機械時計ほど
神経質になる必要はありません。
故障がないかぎり、おおむね5~6年に一度、
分解清掃(OH)おこなえば充分です。
【古物(ヴィンテージ)•骨董(アンティーク)のあつかいについて】
どんなによい品であっても、
経年変化は避けられません。
どんなに美しい人も
加齢を免れないのと同じです。
内外に「傷み」は生じるもの……。
弊店ではすべての商品に、可能なかぎりの
メインテナンスを施していますが、
現代の新品と同様の真新しさや
スパルタンな実用性を期待するお客さまに、
おそらく古物(ヴィンテージ)は向きません。
時計はかつて贅沢品であり、
代々引き継がれる「家宝」でもあったため、
大切に扱うのが普通でした。
またそのようにつくられています。
また現代とはちがい、往時は
製造者(売り手)が取り扱いや使用法に、
ユーザーにたいして一定の「理解」や
「工夫」あるいは「自己責任」を求めていた時代です。
上記の磁気や湿気への気配りをはじめとして、
使用者が丁寧にとり扱うことを前提に
製造された精密機器といえます。
時計がスポーツや冒険のツールとして
気軽に用いられるようになったのは、
ずっと後年のお話です。
用途そのものが違う、
とお考えいただくとよいかもしれません。
【アフターセールス】
故意や誤った使用法、
事故や天災による故障を除き、
事前発生的な不具合については、
お買い上げ日より10か月間の修理保証が付帯します。
ただし近ごろ横行するすり替えや部品窃取
等のトラブルを回避する意味からも、
ご購入後の返品•返金のご要望は承れません。
ご購入者さまには弊店の連絡先をお知らせしております。
修理のご依頼、質問やお困りごとにつきましては、
都度、連絡窓口よりお報せくださいませ。
迅速に対応させていただきます。